テスラ「モデルS」最強仕様はここまでスゴい ついに日本上陸したP85Dに乗ってみた
従来は375kWの電気モーターが後輪駆動のみ搭載されていたが、デュアルモーターでは193kWの電気モーターが前輪に追加される。トヨタ自動車が12月に発売する4代目「プリウス」に積まれる電気モーターの出力が53kW/162Nmと知れば、P85Dがいかにパワフルなマシンかがわかるだろう。
そのP85Dに試乗する機会を得た。日本人のほとんどが未体験なマシンながら、世界が注目するテスラの最新テクノロジーに関心のある人も多いだろう。詳しい試乗記をお届けしたい。
伝統的な価値観の中に、新しい息吹を感じる仕掛け
まず、P85Dのキーを受け取ってドアに手をかざすと、すっとドアハンドルがせり出す。運転席に座ると、包まれたようなコックピットが伝統的な居心地の良さを演出している。一方で、17インチサイズの大型液晶モニターがイマドキの未来カーという印象だ。伝統的な自動車の価値観にリスペクトしつつ、要所ごとに新しい息吹を感じる仕掛けが組み込まれているのが、テスラの旨いところだ。
モデルSの開発当時に資本関係のあったメルセデス・ベンツと同じコラム式のATシフトヘッドをDレンジに入れる。アクセルを踏み込むと、スーッと音もなく滑らかに加速していく。初期のモデルSでは、電気モーターの特性を生かした強烈な加速が刺激的だったが、P 85Dは、アッパーミドルサルーンにふさわしい質感の高い走りっぷりに進化している。
もともと、アルミ押し出し材を使った剛性感の高いフレームにリチウムイオン電池を抱え込むような構造を持つため、重心の低さを生かした安定感の高い走りがこのクルマの美点だった。加えて、前後に電気モーターを備える4WD機構とすることにより、電気モーターから発生する967Nmもの強大なトルクを余すことなく4輪に伝えていく。
アクセルペダルを離すと、エンジンブレーキのような減速と同時に、そのエネルギーを電気に替える回生ブレーキが効いて、アクセルワークだけで姿勢を変化させられる。これはこれまでのモデルSと同じ機構で、大型ディスプレイの操作でON/OFFを切り替えられる。
回生ブレーキをONにしていたら、そこそこのスピードが出ていても、アクセルを離すだけで、ビックリするぐらい減速する。慣れるまでは違和感があるかもしれないが、うまく使いこなせばブレーキパッドをあまりすり減らさない運転ができるかもしれない。
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