産業医が教える「本音で話すのが苦手」が治るヒント。自分らしく生きて「生きづらさ」から脱却するための2つの方法

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他者や社会と適切に関わっていくためには、現実にコンタクト(接触)することが重要です(写真:Fast&Slow/PIXTA)
人が生きづらさを感じてしまう要因の1つは、自分らしく生きていないことだ。無理して周囲の環境や人に合わせて生きていると、自分が本当に望むことが次第にわからなくなってしまい、その結果として原因不明のいらいらややる気のなさにつながることもある。だから生きづらさから脱却するためには本音で生きることが大事だが、なかなかそれができない人も多い。『心を病む力』(東洋経済新報社)の著者である上谷実礼氏が、現代社会において本音を話して生きることの重要性と、それが苦手な人へのアドバイスを解説する。

ありのままの自分を見せる

自分らしく他者と適切に関わっていくには、ありのままの自分を他者に見せていく必要があります。「私はこんなふうに感じているよ」「私はこう考えるから、このように行動しているよ」と伝えていくことで、他者の中に「あなた」という人間の輪郭がはっきりと浮かび上がってきて、他者はあなたの存在を感じることができます。

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ありのままの自分を見せたことで、他者がどう感じるのか、他者がどう反応するのかは、他者のことなのでコントロールできません。あなたに共感や好意を抱くかもしれないし、その逆もあるかもしれません。

それでも、ありのままの自分を見せない限り、自分らしく他者と関わり、社会の中で生きていくことはできないのです。

そのために必要なのが、本音で話すことです。自分がどう感じ、何を考えているのかを相手に伝えていきます。

その時、自分の気持ちや考えを相手に押し付けるのではなく、相手を意識しながら、お互いの間にあるテーブルに乗せるイメージで話すとよいでしょう。それに対して相手はどう感じ、何を考えるのか、相手の本音もテーブルに乗せてもらいます。

相手の気持ちや考えを聞いて、自分の気持ちや考えに変化が起きることもあります。たとえ両者の考えが相容れないものであっても、本音を伝え合ったことで「じゃあ、どうする?」と歩み寄れることもあります。

本音で対話するとはどういうことか、ひとつ例を挙げてみましょう。

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