「陸軍の飛行場、アメリカ軍の通信所」だったのに、今や「発展しそうな駅1位」に。スマートシティに大変身した「柏の葉」発展の"実情"

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しかし1950(昭和25)年に朝鮮戦争が勃発し、開拓地にはアメリカ軍の通信基地がつくられることになる。1955(昭和30)年に、「アメリカ空軍柏通信所」が建設された。しばらくは基地内で農耕が行われたが、1963(昭和38)年基地拡充のため国に買収されることに。多数の農民が土地を手放し、大部分が国有地になった。

その後「アメリカ空軍柏通信所」では、米軍基地の整理統合計画が持ち上がった。これに対して地元が返還運動を興し、1979(昭和54)年に全面的に返還された。1984(昭和59)年から「アメリカ空軍柏通信所」跡地で土地区画整理事業が始まり、1990(平成2)年に完成。町名は、柏の葉1丁目〜6丁目とされた。

現在、「アメリカ空軍柏通信所」跡地には、「県立柏の葉公園」や「東京大学柏キャンパス」が存在する。

県立柏の葉公
「県立柏の葉公園」。軍事施設が緑豊かな憩いの空間に生まれ変わった(筆者撮影)
東京大学柏の葉キャンパス
「東京大学柏の葉キャンパス」(筆者撮影)

なぜ、三井不動産は柏の葉で街づくりをしているのか

現在、柏の葉で街づくりを進める三井不動産とこの地の歴史は、遡ること明治時代。1869(明治2)年に、三井八郎右衛門が開墾会社を設立したことに端を発する。

時代が過ぎ、1961(昭和36)年になると、「アメリカ空軍柏通信所」 の隣接地に「柏ゴルフ倶楽部」を開設。多くのゴルフ愛好家で賑わったそうだ。

しかし、つくばエクスプレスの路線が「柏ゴルフ倶楽部」を二分することになったため、惜しまれつつも2001年に閉鎖された。

この「柏ゴルフ倶楽部」跡地に開発されたのが、つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅と「ららぽーと柏の葉」だ。2005年8月につくばエクスプレスが開通。ららぽーと柏の葉は、2006年11月にオープンした。

ららぽーと柏の葉
2006年11月にオープンした「ららぽーと柏の葉」(筆者撮影)
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