成否の分かれ目は《うんちく》の扱い方にあり! 「接待の席」で相手を確実に喜ばせる"鉄板の話術"
でも、僕は、結論のない話など当たり前だと考えていますし、それどころか相手が望んでいないのであれば、結論を語らないようにしています。それでも一向に構わないのです。
会話の相手が、深刻な悩みを抱えていたとします。仕事関係でも、男女関係でもよくあるシチュエーションです。僕もよく相談を受けます。
こんなとき、相談している側は、必ずしも相手に結論を求めているわけではありません。
若い頃と違い、今の僕はそのことをよくわかっているので、「相談に乗ってよ」と言われれば、ただ相槌を打ち、相手の話した内容をオウム返ししながら、基本的には黙って聞いているだけです。
そして相手から「どうしたらいいと思いますか?」と聞かれて初めて、自分の考えや結論を言うことにしています。
話を聞いた結果、たとえ僕が100%自信がある解決策を思いついたとしても、相手から請われない限り絶対に語りません。
「相手が何を望んでいるか」を考えていますか?
なぜこんなことを大真面目に守っているのかというと、会話の相手が何を求めているかは、あくまで相手のなかにしか存在しないからです。
もしかしたら、彼(彼女)の頭のなかにはすでに結論めいたものがあり、僕にはただそれに対する賛同を求めているだけなのかもしれません。
あるいは、結論が出ない、出せないことと知っていながら、ただ真剣に耳を傾けてもらう相手が欲しくて話を振ってきただけなのかもしれません。
つまり傾聴してもらえればそれで十分で、「ああ、話したらスッキリしました。明日からまた頑張ります!」となるかもしれないのです。
相手がその会話を通じて何を望んでいるかを正確につかむことこそが、僕が考える会話の本質です。
それが「相談に乗ることそのもの」であるなら、結論などまったく邪魔な、不要な要素です。たとえ万能の解決策であったとしても、のみ込むべきだと思います。
コンサルタントとしての僕のスタンスも、基本的には変わりません。クライアントから結論を求められれば、自分の考え方をお伝えします。
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