老若男女を問わず"誰もがキレる"時代の処方箋…精神科医が説く「イライラ」を鎮める《3秒ルール》
しかし、いまの時代、ちょっとしたことでキレてしまう人がとても多くなってきています。ヘタに怒りをぶつけると、ひどい目に遭ってしまうことにもなりかねません。最悪の場合、事件に発展することもあります。
かつては、キレるのは若者が多いと考えられていました。しかしいまは、年齢や性別を問わずキレやすくなっています。
先日も、ある私鉄の駅で初老の小柄な男性が、20代の大柄な男性に食ってかかっていました。初老の男性が電車を降りようとしたのを、若者がジャマをしたという言い分のようです。若者は「意図的なことではない」と応じていました。私もそばにいましたが、正しい主張に見えました。ところが、その初老の男性は、えらい剣幕です。
「この若造が、何様だと思っているんだ!」
酔っているようではありませんでした。きっと、仕事で嫌なことでもあったのでしょう。見るに堪えない光景でした。
「フラストレーション耐性が低い」
キレやすいというのは、心理学ではそう説明されることがあります。自分の不満に耐えられない。つまりは、幼稚なのです。
我慢の学習が足りない人もいる
幼児が、欲しいおもちゃやお菓子を買ってもらえないとき、最初は、「ほしいよ、ほしいよ、かって、かって」と泣きながら訴えるだけです。しかし、それでも買ってもらえないときには、行動が過激になります。
床に寝転がって手足をばたばたさせ、大声で騒ぎ立てます。テコでも動かないぞと、迫力が増します。一種のパニックです。でも、普通の人間は成長して大きくなれば、そんなことはしてはいけないと学習します。しかし、すべての人とはかぎりません。
その学習が十分になされていない人もいます。そんな人がキレやすい大人になってしまうのです。
職場とか近所にもいますよね。大人になりきれていない人たちです。知的な部分は、ある程度発達しているのですが、「認知」というものの受け止め方や理解の仕方という面の発達が十分ではないのです。
いまは、とても未熟な人たちが増えてきています。そういう人は、間違いなく「幼稚な人」です。キレる要素を十分に持っている人たちです。「静かにしろ!」と怒りたい気持ちはわかります。
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