老若男女を問わず"誰もがキレる"時代の処方箋…精神科医が説く「イライラ」を鎮める《3秒ルール》

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怒っているときの状態を「頭にくる」とか「腹が立つ」といいます。水をかぶるのは頭を冷やすこと、水を飲むのは、腹を寝かせることです。甘いものが嫌いな人は、冷たいコーヒーでも紅茶でもいいでしょう。

副交感神経を優勢にしてみましょう

2015年のラグビーのW杯で有名になった五郎丸歩選手は、興奮した状態を鎮静化するため、あるいは観客の声に惑わされないために、あの独特のルーティンをやっているそうです。あの要領です。

お腹の中に何かを入れることは、医学的にも正しいことです。胃を刺激することで、副交感神経が働くので、怒りが収まりやすくなります。副交感神経というのは自律神経のひとつで、これと対照的な働きをするのが交感神経です。

怒っているときは、交感神経がバリバリに働いて、戦いのオーラが全開となっています。副交感神経というのは、温泉に入ってゆっくりしたときなどに働く神経で、体も心もリラックスします。

何かを食べることで、戦闘モードからリラックスモードに脳が切り替わり、怒りも収まっていきます。つまり、副交感神経を優勢にするのです。また、食べたり飲んだりする行為は、感情が行動に直結しないためのクッション役になり、数分の間に気持ちも落ち着きます。

怒りが収まってしばらくしたら、なぜカーッとしたのか、冷静な脳のモードで考えてみてください。多くの場合、ごくささいなことで怒った自分に気づきます。

それを繰り返していると、次に同じような場面に遭遇しても、学習効果が表れます。カーッとしたら、口と胃に刺激を与えましょう。わずか3秒でできることです。

頭にくるといえば、場をわきまえずに、大声で騒ぐ連中は、とにかく迷惑千万です。「こいつら何を考えているんだ」と怒りが込み上げてきて、「静かにしろ!」と怒鳴りつけたくなってきます。

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