その心理学の延長として、心理戦を楽しむべく競技麻雀研究会に入部した池谷さん。
日本学生麻雀連盟の立ち上げを担い、4年留年して大学に8年在籍しつつ、全国の大学麻雀部を束ねる立場となります。2002年には競技者として出場した世界麻雀選手権で銅メダルを獲得。さらに在学中に、健全な麻雀文化を普及するニューロン麻雀スクールを設立。29年目に突入した現在は提携160校、会員6.5万人、講師500名の規模となり、大人気の子供教室はテレビや雑誌など連日メディアで取り上げられるように。今年は監修『頭がよくなる! こども麻雀』(世界文化社)、著作『マンガで楽しむ!はじめてのこども麻雀』(幻冬舎)、著作『強くなる!賢くなる!こども麻雀入門』(池田書店)の3冊を発刊しました。

浪人生活が人生の道筋を探しなおす機会に
2年間の浪人時代を振り返っての感想を聞いてみると「人生の道筋を見つけた、人生の踊り場」と答えてくれました。
「社会での居場所を見失っていた自分にとって、予備校という人生の踊り場に漂着した時、ユニークな講師を通じて学業以外の文化に出会えたことが、人生の道筋を探しなおす大切な機会だったと思います。数学の田島先生に“言語も数学も道具”と薦めていただいた、本多勝一著『日本語の作文技術』で学んだ文章力は、その後の仕事人生で多くのステークホルダーと関わってゆく上で、心理学と並んで、私の武器になったと感じています。私が大学3年生で起業したのは、様々な業界から予備校講師に転身した先生方の生き様を身近にリアルに感じたからだと思います。フリーランスとして社会に切り込んでゆく気概やタフさを学びました」
浪人経験を活かし、好きな分野を突き詰めた結果、多くの人に麻雀の魅力を届けている現在の池谷さん。確率やパズルといった数学的な要素を有し、論理思考の言語化を要するコミュニケーションツールであり、生きた心理学とも言われる『麻雀』。
浪人時代から培ってきた学びが見事に結実している、と感じました。

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