9月に自民党で臨時総裁選実施濃厚、それまでに石破首相の退陣表明も?「お盆明けの政局」は日本株に大きな影響を与えそうだ

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自民党執行部は、7月28日には両院議員懇談会を開催した。これは議決権のない会合であって、要は党内の不満分子に言いたいことを言わせる「ガス抜き」の場であった。会議は2時間の予定を大幅に延長し、実に4時間半ものロングラン会合となった。

この間、一部議員からは正式な両院議員総会の開催を求める署名運動も始まった。すると森山裕幹事長は、署名の提出を待たずにあっさりと8月8日に両院議員総会の実施を決めた。

さすがにその場で「石破降ろし」はできないと見切ったのであろう。この時期、広島(8月6日)、長崎(8月9日)の平和記念日があり、8月15日には「戦後80年」の節目のときもある。お盆休みには議員さんたちが地元に帰って、あいさつ回りもしなければならない。8月8日は、「ほとんどここしかない」という日程であったのだ。

「自民党党則6条4項」は「自民党総裁の解任」に近い規定

ところがこの会合で、両院議員総会長を務める有村治子参議院議員が、老獪な議事進行を見せたことで事態は予想外の展開を見せる。有村氏は自民党党則6条4項を持ち出して、「臨時総裁選」の実施に向けた意見を集約したのである。

自民党党則の6条1項は、「総裁は、別に定める総裁公選規程により公選する」とある。2項は総裁が任期中に欠けた場合、ちょうど2000年4月に小渕恵三首相が脳梗塞で倒れたときのようなケースに触れ、3項はその場合は略式の総裁選を行ってもいいと書かれている。

で、問題が6条4項である。ちょっとわかりにくいが、全文を下記しよう。

総裁の任期満了前に、党所属の国会議員及び都道府県支部連合会代表各一名の総数の過半数の要求があったときは、総裁が任期中に欠けた場合の総裁を公選する選挙の例により、総裁の選挙を行う。

この条文、何を言っているかと言うと、現職の総裁が辞めようとしなくても、党内過半数の同意があれば、臨時の総裁選を実施することができると定めている。この場合、現職総裁も出馬することができるが、党内の過半数が「辞めろ」と言っているような状態では、実際問題として勝ち抜くことは難しいだろう。要するに6条4項というのは、自民党総裁の解任措置に近い規定なのである。

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