「GPT-5」の評判低調で旧モデル復活を望む声 ChatGPTの独走状態に変化も? 

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つまりベンチャーキャピタルをはじめ投資関係者らは、「生成AIの開発レースは未だ初期段階にあり、これからでも十分(OpenAIに対して)逆転可能」と見ているようだ。

ただ、xAIに関しては、その創業者・CEOのイーロン・マスク氏がスペースXなど身内の企業から資金を調達するなど実力以上に評価額を高めようとしている節もあり、その点は割り引いて考える必要があるだろう。

ビッグテックは巨額のAIインフラ投資で長期戦の構え

一方、グーグルやアマゾン、マイクロソフト、メタなどビッグテック4社は2025年に、データセンターの建設などAI関連の設備投資に総額で約3400億ドル(50兆円以上)もの巨費を投じる計画だ(図3)。

図3 アメリカ・ビッグテック4社によるAIインフラ関連の設備投資額(2025年の計画ないしは推計値) 縦軸の単位は10億ドル(ChatGPT-5で作成)(筆者提供)

これらビッグテックは一般消費者向けのチャットボット市場(図1)でのシェア(存在感)は比較的小さいが、逆に企業向けのクラウド事業などに向けてAI技術によるイノベーションを図っている。

最終的にはこうしたエンタープライズ市場におけるAIビジネスのほうが、チャットボットのような消費者向けサービスよりも市場規模は大きくなると見ているからだ。

また、グーグルやマイクロソフト、メタなどは各々「検索エンジン」「オフィススイート(業務用ソフト)」「(フェイスブックやインスタグラムなど)ソーシャルメディア」という巨大プラットフォームを有している。

それだけに、これらのうえでチャットボットなどの生成AIサービスを今後拡大していけば、いずれはOpenAI(ChatGPT)を抜き去ることも必ずしも無理とは考えていないようだ。

なかでもメタは巨額の設備投資と同時に、多額の報酬を提示してライバル企業のAI人材を次々と引き抜くなど競争心を剥き出しにしている。

同社は今年6月、AIスタートアップ「Scale AI」の株式49パーセントを143億ドル(2兆円余り)で取得。これに伴い、Scale AIの若きCEOを引き抜いて、メタが立ち上げたばかりのスーパーインテリジェンス(超知能)部門の責任者に据えた。

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