「GPT-5」の評判低調で旧モデル復活を望む声 ChatGPTの独走状態に変化も?
こうしたAIチャットボットの世界シェアは単純にウェブ・アクセス数をベースとする調査結果(図1)か、あるいはユーザーへのヒアリングやアンケートをベースとするか、さらに業務利用やアプリ内利用も含めるかなど、統計の取り方によって大きく異なる。
が、少なく見積もってもChatGPTの世界シェアは60パーセント以上に達するなど、2位以下に大きく水をあけている点は変わらない。
AIスタートアップの時価総額では勝負が決していない
一方、生成AIを開発する主要なスタートアップ企業の資金調達やそれによる時価総額を比べると、それとは違った景色が見えてくる(図2)。

この図2に示された企業の中で、まずOpenAIは今年の3月末、ソフトバンクが主導しマイクロソフトやスライブキャピタルなども参加する形で総額400億ドル規模の資金調達ラウンドを発表し、この時点で同社の株式時価総額(企業評価額)は約3000億ドル(45兆円前後)に確定した。
それと並行して同社は現在従業員による持ち株売却など、いわゆる「株式公開買い付け(tender offer)」による資金調達も計画中で、それが実施されればOpenAIの時価総額は約5000億ドル(75兆円前後)に跳ね上がると見られている。
一方、(チャットボットClaudeを開発・提供する)Anthropicや(同Grokを開発・提供する)xAIなども、同様に巨額の資金調達とそれに伴う時価総額の更新を繰り返している。
こうした中で興味深いのは、チャットボットの世界シェア(図1)ではOpenAI(ChatGPT)が他を圧倒的に引き離して断トツの首位なのに、スタートアップ時価総額の比較(図2)では首位(OpenAI)と2位以下の差がそこまでは開いていないことだ。
特にAnthropic(Claude)の世界シェアはわずか0.9パーセント、xAI(Grok)に至っては「その他(Other)」に分類されるなど誤差の範囲内なのに、資金調達ラウンドにおける時価総額では各々約1700億~2000億ドル(30兆円前後)に達するなど、資金力とそれに裏打ちされた企業価値はかなり高い。
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