30代でもリスク…BoAさん公表「骨壊死」とはどんな病気か――起こりやすい人の特徴や初期症状、予防法について医師が解説

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①変形性膝関節症

長期にわたる関節の使用や加齢に伴う軟骨のすり減りが原因。特発性骨壊死は急に発症するのに対し、変形性膝関節症は徐々に進行するのが特徴です。X線で膝関節の骨の隙間が狭くなっていることを確認して診断します。

②半月板損傷

大腿骨とすねの骨との間にあって、クッションの役割を果たしている半月板という組織が転倒などによる衝撃や、加齢による変性で断裂することがあります。膝を曲げ伸ばしたときの引っかかる感じや痛みが特徴で、MRI検査で半月板の裂け目を確認して診断します。

③靱帯損傷

膝には、大腿骨とすねの骨をつなぐ硬い帯状の組織である靱帯が4本(前後の十字靱帯、内側と外側の側副靱帯)あります。

女性に多いX脚では、膝の内側の内側側副靱帯が引き延ばされて損傷しやすく、膝の内側に痛みを感じるようになります。慢性的に続くため、ほかの膝の疾患と見分けるのが難しいです。一方、十字靱帯の損傷は、スポーツや転倒に伴って強い衝撃が加わると起きるため、原因が明らかであることが多いです。

④膝蓋下(しつがいか)脂肪体炎:Hoffa病

膝の前側、膝蓋骨(ひざの皿)の下にある脂肪組織に炎症が起きます。主に膝の使いすぎや外傷によって引き起こされます。膝の前面が腫れ、押すと痛みます。特に膝を曲げた状態から伸ばすときに痛みを感じます。MRI検査で脂肪体の浮腫や、炎症に伴う変化を確認して診断します。

痛風で膝に痛みが生じることも

⑤痛風発作

痛風というと、足の親指の付け根に発症するイメージがありますが、まれに膝にも起こります。

尿酸値の高い方では尿酸が関節内で結晶化していて、その結晶が関節に急激な炎症を起こします。夜間に発症し、朝には膝が赤く腫れて熱を持ち、ちょっと動かしただけでも激痛が走るのが特徴です。

⑥化膿性関節炎(細菌感染)

何らかの理由で関節内に細菌が侵入し、炎症を引き起こす重篤な疾患です。強い腫れ、発熱、赤みがあります。放置すると関節が破壊されるため、関節液の検査が必要で、早期診断と抗菌薬による治療が不可欠です。

⑦関節リウマチ

膝関節の中にある滑膜(かつまく)という組織が炎症を起こし、両側とも膝が腫れて痛みます。関節内全体の炎症が起きるため、膝をどの方向に動かすのも痛く、徐々に悪化していきます。

血液検査でリウマチ因子や抗CCP抗体などの自己抗体の有無を調べることで、診断がつくことが多いです。

久住 英二 立川パークスクリニック院長

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科専門医、血液専門医であり、旅行医学やワクチンに関する造詣が深い。国家公務員共済組合連合会虎の門病院で内科研修ののち、臍帯血移植など血液がんの治療に従事。血液内科医としての経験から感染症やワクチンにも詳しく、常に最新情報を集め、海外での感染症にも詳しい。2024年12月に立川高島屋SC10階に内科、小児科、皮膚科の複合クリニック「立川パークスクリニック」を開業した。

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