30代でもリスク…BoAさん公表「骨壊死」とはどんな病気か――起こりやすい人の特徴や初期症状、予防法について医師が解説
まず、骨と聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
多くの方は、白くて硬く、無機質なカルシウムの塊のようなものを連想されるかもしれませんが、実は絶えず代謝を繰り返す「生きた臓器」です。
私たちの骨の中には無数の血管が走り、酸素や栄養を骨細胞に届けています。骨細胞が絶えず破壊(骨吸収)と再生(骨形成)を繰り返すことで、その構造と機能を維持しています。
このダイナミックな生命活動を支えているのが「血流」です。
ところが、この血流が何らかの理由で遮断されると、骨は栄養を失い、壊死します。これが「骨壊死」です。
骨壊死のタイプは大きく3つある
骨壊死は、医学的には「無血管性壊死」や「虚血性骨壊死」とも呼ばれ、血流が途絶えた骨組織が死に至る病態を指し、大きく「外傷性」「非外傷性」「特発性」に分けられます。
■外傷性骨壊死
外傷性骨壊死は、骨折や脱臼などのケガによって血管が傷つき、骨への血流が遮断されることで起こります。
■非外傷性骨壊死
非外傷性骨壊死は、ケガがないにもかかわらず発症するもので、原因としては、副腎皮質ステロイド薬やHIV治療薬の長期使用、アルコールの過剰摂取、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患、腎移植などが挙げられます。
■特発性骨壊死
特発性骨壊死は、ケガや薬の使用歴がないにもかかわらず生じるものをいい、明確な原因がないにもかかわらず起きてしまった場合を指します。
特発性骨壊死には、スポーツでジャンプを繰り返したり、長時間走ったりなど、膝の関節を酷使することで生じるものも含まれます。とくに最近、若い人での膝の骨壊死と半月板損傷(とくに内側の半月板損傷)との関連が注目されています。
外傷性にせよ、非外傷性にせよ、骨壊死がもっとも起こりやすい場所は股関節に接している大腿骨の上部ですが、今回のBoAさんのケースように、膝関節に生じることもあります。
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