30代でもリスク…BoAさん公表「骨壊死」とはどんな病気か――起こりやすい人の特徴や初期症状、予防法について医師が解説

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ただし、年齢が若かったり、変形よりも痛みが強かったりする場合は、人工関節に置き換える手術ではなく、関節を温存する手術が主流です。詳細はわかりませんが、BoAさんもおそらく関節を温存する手術を行ったと思われます。

骨壊死を防ぐためのポイント

では、若い人に見られる膝の使いすぎによる特発性骨壊死は、どうやって防げばいいでしょうか。

まず、ランニングやテニス、バスケット、サッカー、ダンスなど、ジャンプをしたり、膝を深く折り曲げたり、急に止まったり走ったりするスポーツをする場合は、運動前とあとに十分なストレッチを行うこと。そして、痛みがある間はできれば運動は控え、テーピングや湿布、サポーターなどで膝関節を守るようにしましょう。

栄養も大事です。骨というとカルシウムのイメージがありますが、タンパク質のほか、マグネシウムなどをしっかり摂るようにします。また、炭水化物や油などエネルギー源の量を減らし、筋肉の素となるタンパク質と野菜から食物繊維を1日3食かならず摂ることも大切です。

そのほか、体重管理、筋トレ、有酸素運動も欠かせません。

体重増加は膝に過剰な負荷をかけるので、骨壊死のリスクになります。実際、BMI25キロ/平方メートル以上の方では、骨壊死のリスクが高まることがわかっています。特に膝の特発性骨壊死は50歳以上で発病しやすいので、女性の場合は、更年期に体重を増やさないようにするのが大事です。

筋トレは、スクワットのような自重トレーニングで良いですが、膝が痛む場合は、ジムにあるマシンを用いたトレーニングが有効です(インストラクターに正しい使い方について聞いたうえで使用しましょう)。

有酸素運動は、軽いジョギングか、大股で早歩きするなど、心拍数を高める運動のほうが良いとされています。

何より、「なんだか痛いけど忙しいし、市販の鎮痛薬を飲んでおこう」と放っておくのは危険です。セルフメディケーションは「いつもの症状、いつもの薬」であれば問題ありませんが、初めての症状での自己判断治療はおすすめできません。

「最近、膝の内側が急に痛み出した」と感じたら、それは体が発している大事なサインかもしれません。痛みの裏に潜む見えない病気に気づき、早めに診断と治療を受けることが、将来の歩行と生活の質(QOL)を守る第一歩です。

■骨壊死と似た病気について

膝に痛みを引き起こす疾患は、骨壊死のほかにも存在します。最後に、鑑別が必要な代表的疾患を紹介します(膝の部位の名称については、前掲のイラストを参照してください)。

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