将来の骨折を防ぐ「骨ケア」30~40代から必要な訳 上皇后美智子さまも10月に右大腿骨上部を骨折
骨折の原因となる骨粗鬆症は現在、国内で1590万人の患者がいるとされ、特に女性に多く見られる病気(公益財団法人骨粗鬆症財団調べ)。上皇后美智子さまが転倒し、右大腿骨の上部を骨折したニュースが10月初旬に流れたばかりだが、この骨折の原因で多いのが、骨粗鬆症だ。
女性のための整形外科医として、骨粗鬆症患者の駆け込み寺的存在となっている、ゆりクリニック(東京都港区)の矢吹有里院長に、その予防法、治療法を聞いた。
寝たきりの状態に陥ってしまう人も
骨粗鬆症の原因は、閉経による女性ホルモンの減少、カルシウム不足、運動不足などで、骨量(骨全体に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルの量)が減少し、骨がもろくなる。
わずかな衝撃でも骨折しやすく、ひとたび背骨(腰椎)や足の付け根の骨(大腿骨近位部)が骨折すれば、立つことや歩くことができず、それをきっかけに寝たきりの状態に陥ってしまう人も少なくない。
骨密度(単位面積当たりの骨量)は20~30歳をピークとして、更年期を迎える40歳ごろまでは維持されるが、その後は女性ホルモンの低下とともに低下していく。だが、矢吹医師によると、早いうちから骨のケアをすれば、低下のスピードを食い止めることができ、骨折も予防できるという。
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