参政党の「日本人ファースト」よりもすべての有権者に響く、「まともな政党」が次の選挙で導入すべき「政策キャッチコピー」と「経済政策」を提言する

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自民党の公約、政策、立憲民主党の公約とも、まともすぎてわかりにくいのである。選挙はエンタメだから、まともである必要はないのである。細部がちゃんとしている必要はないのである。

「給付付き税額控除」といわれても、なんのことだかわからない。そういう説明をしだせば、いい政策でも、細かいところに問題点や難しいところはあるし、損をしたり困ったりする人も出てくる。そういう議論をしたくもないし聞きたくもないのである。そんな理屈をこねるより、「減税!」なのである。

そして「減税!」と叫ばれたときに、「財源がなくて難しい」「現実的でない」という反論は、かえって「減税!」と叫んだ側の支持を加速する。なぜなら、人々が求めているのは、ストレス発散であり、現実的な政策ではないのである。

「群衆票」が政治に求めているもの

政治にはまともなこと、実質的なこと、実際の政策による世の中の改善など、何も期待していないのである。つまり、政治の価値はゼロ、いやマイナスであり、政治なんかないほうがましなのである。だから、「自民党政治をぶっ壊す」というスローガンは盛り上がったし、減税で政府が破綻するのは、何もしないで鬱屈とした社会が続くよりましだ、というノリなのである。

既存の政権、政党が支持を得られないのは、「何もしない」からである。四の五の言って何もしない、これが最悪である。石破茂首相はそれで支持が得られないのである。しかし「石破をやめさせろ!」と古い政治が吠え、動き出せば、古い派閥政治、権力闘争と戦う一人ぼっちの石破首相は、「抵抗する」という素晴らしい行動をしており、支持されるのである。

つまり、群衆票が求めているのは、「なんでもいいから、なんかやれ!」ということなのだ。アメリカのドナルド・トランプ大統領がやっていることは滅茶苦茶で、しかも支持者にはマイナスのことばかりなのだが、それでいいのだ。「今まで誰も俺たちのために何もやってくれなかった。理屈やきれいごとばかり言いやがって、トランプは、とにかく動きまくってくれる、戦いまくってくれる」、だから「トランプ万歳!」なのである。

参政党なら、神谷宗幣代表が群衆の前で「日本人ファースト!」「1、2、参政党!」と叫べばそれでいいのである。参議院予算委員会で、質問に立ち、石破首相と議論したが、理屈をこねる神谷代表は凡庸だし、支持者にとっては、まったく見たくない姿なのである。

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