「規格外品を“名物”に変えた工場長の執念」「東京では売れず“ある地域”でバカ売れ」…ケンミン自販機が証明した“現場発イノベーション”の底力

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

自動販売機から認知度が高まり、乾麺への売り上げにつながっているかどうか?は数値としてはわからない。しかし、「自販機で買ってビーフンを体験したあと、近所のスーパーで乾麺を購入する」といった客は増えているのではないかと田中さんは予想している。「そこにこそ、自動販売機をやっている意味があります」と強調した。

作る人も、食べる人もハッピーな一品をストック

田中さんに、どんなふうに冷凍焼ビーフンを食べてもらいたいかを問うと、「もしものためにストックにしてほしい」という。冷凍食品のビーフンは約2センチほどと薄いので、冷凍庫の隙間に入って場所をとらない。2つ3つストックしておいて、おかずに困ったときにチンして食べてほしいそうだ。

田中さん自身、「韓国風はるさめ炒めチャプチェ」を自宅に常備している。「もう一品おかずがほしい」ときに便利だそうだ。他社のレトルト商品で、炒めてつくるタイプのチャプチェだと大量にできてしまうが、冷凍なら「ひと皿分」なのも気に入っている。

田中さんが自宅に常備しているという「韓国風はるさめ炒めチャプチェ」。ごまの風味が食欲を誘い、ピリ辛かつ奥深いうま味がビールにもごはんにも合う(筆者撮影)

「野菜がたくさん入っていてインスタント感が低いですし、調理したような見た目になるので家族にもバレにくい。作る人もハッピー、食べる家族もハッピー。子供に栄養のある食事を食べさせたいけど時間がない、というお母さんお父さんを助けられる商品なんです」

加えて、ケンミンとしては、ビーフンを「主菜」ではなく「副菜」として推している。

「キャベツやピーマンだけでなく、ジャガイモとか里芋とか、冷蔵庫に残っている野菜になんでも合うので、『野菜と一緒におかずとして食べてください』というメッセージを出し続けています。“野菜炒めビーフン”みたいな位置づけになりたいですね」

次ページ「グルテンフリー食品」としても注目
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事