「キャットウォークを全然使ってくれない」「猫部屋よりリビングにいる」“飼い主の理想”は迷惑?“猫専門”建築士が教える“猫が本当に喜ぶ家”

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ここで実例として、ネコアイが手がけたUさんのお宅をご紹介しよう。

夫婦2人、大学生の息子さんと、ルキウス(オス・11歳)、あられ(メス・11歳)の3人2匹で暮らしているUさん。2年半前、一戸建てから新築マンションへの転居を機に、自宅を”猫仕様”にすることを決めた。

ルキウス
Uさんの愛猫、ルキウス。2016年に保護猫カフェから引き取った。おっとりした性格で、いつも接客を担当してくれるそう。もう1匹の愛猫、あられは最後まで姿を見せなかった(撮影:梅谷秀司)

「以前は3階建てだったので、上り下りの運動もできていたんですが、マンションだと活動範囲が狭くなってしまう。そこでキャットウォークをつけたいと考えました」(Uさん)

キャットウォークを設置したリビング
家族が過ごすリビングに、壁をぐるりと一周するキャットウォーク。足場の間隔は猫が無理なく飛び移れるよう、30〜45cm程度が望ましい(撮影:梅谷秀司)

キャットウォークはリビングをぐるりと一周し、そこから寝室までつながっている。昇降ポイントはリビングの入り口とキッチン壁の棚上の2カ所。強化ガラスでできた部分もあり、猫が上で寝そべる姿を下から観察することもできる。

ガラス面に接触したふかふかのお腹や肉球を眺めるのは愛猫家にとって至福。前足をたくし込んだいわゆる「香箱座り」の構造がわかるのも楽しい。

「施工が済んでから人間、猫ともに引っ越してきたので、初めて見た時は『うわぁ!』と感動しました。ルキウスのほうが積極的なので、先に登って、あられを案内してあげていたんですよ。今は、箱の部分に頭を突っ込んで寝ていることも多いです。季節によっている場所が違いますね」

費用は総額200万円

Uさんはキャットウォークの他に、キッチン侵入防止扉、キッチンとリビングの間を塞ぐガラス窓などを施工した。また、人間のトイレに猫トイレも置いたため、人間と猫のバッティング防止用にペットカメラを設置。費用は猫用とは別に依頼のあった人間が使用するものも含め、合わせて200万ちょっとだったという。

「上限はとくに決めていませんでした。でも、問い合わせた時点で『うちは高いですよ』と言われました。他にも1社、連絡をとっていましたが、サイトに掲載されていた施工例がいいなと感じたのと、ご提案いただいた内容が気に入ったので依頼を決めました」

依頼から施行完了までの期間は普通、2カ月程度だという。

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