「キャットウォークを全然使ってくれない」「猫部屋よりリビングにいる」“飼い主の理想”は迷惑?“猫専門”建築士が教える“猫が本当に喜ぶ家”

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ただ、「猫のためにキャットウォークを設置したのに、全然使ってくれない」といった飼い主の嘆きを、筆者はよく聞く。

こうした悲劇はなぜ起こるのか清水さんに尋ねると、「飼い主さんが『猫ってこうだよね』と作った結果、猫が使わないものになっているから」という答えが返ってきた。猫の行動や生態のエビデンスをちゃんと理解していないことが原因だという。

猫が「本当に喜ぶ」キャットウォーク、3つの鉄則

清水氏によれば、キャットウォークのポイントは3つある。

キャットウォーク
リビングの入り口には、キャットウォークへと続く猫用の階段(撮影:梅谷秀司)
1.足場の間隔は30〜45cm以内

猫が跳躍しなくても前足が届く間隔が理想。

2.回遊性があること

行き止まりにならないよう、上り下りできる場所を2カ所以上つくる。

3.設置場所はリビング

飼い猫は飼い主を家族と見なしている。自然と家族のいる場所に集まりたがる。もし”猫仕様”の部屋を1部屋だけにするのなら、家族が長い時間を過ごすリビングがベスト。

たとえば、猫専用の部屋にキャットウォークを設置する飼い主も多いが、猫部屋に閉じ込めない限り、猫は人のいるリビングに集まる。そのため、猫部屋の設備はほとんど使われなくなるケースもあるという。

また、飼い主が設置したがる吊り橋やハンモックも、猫は不安定な場所を嫌うため、使わない場合が多い。

「猫の仕事を始めたばかりの頃だが、猫が7匹いるお宅に取り付けて、成猫は1匹も使ってくれなかったことがある」と清水氏は振り返る。

ただし、猫は用心深くもあるが、好奇心も強い。「ある日1匹が使い始めたら、他の猫も使い出す」なんてこともあるのだという。

ネコアイでは、客から寄せられたフィードバックを検討し、猫が使わない、あるいは猫が落下してしまったなどの場合、修正を行なっている。しかし現在では修正が必要になった例はないそうだ。

ネコアイ代表取締役 清水満氏
ネコアイ代表取締役 清水満氏。愛玩動物飼養管理士の資格も取得(撮影:梅谷秀司)
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