「トヨタも明治もCM再開」「すでに世間は中居正広氏の騒動を忘れた?」《フジテレビの完全復活》から見えてくる“スポンサーの思惑”
また、フジ・メディア・ホールディングスが7月31日に発表した2025年度第1四半期の業
とはいえ、株主総会でフジテレビに関する大きなニュースは出尽くした感がある。株主総会は成功裏に終わった。事実、その直後にサントリーや大和ハウスがCMの再開を発表している。
7月6日に放映された検証番組は一部で批判を浴びたものの、大筋としては無難に乗り切ったというところだろう。
その後は、悪材料も好材料も出ない中、フジテレビ関連のニュースは減ってきている。中居正広氏の性加害に端を発するフジテレビの一連の不祥事は、すでに風化しかけているといってよいだろう。
一方で、CM再開を決定するだけのポジティブなニュースもない状況で、スポンサー企業の多くは様子見を続けていたとみられる。
CMは少しずつ戻りつつも、本格的な再開に向かわなかったのは、企業側に上記のような深謀遠慮があったためだろう。
それでは、どうして7月末になって、CM再開の動きが急に出てきたのだろうか。
10月の番組改編がCM復活のカギ
いまになって大手企業のCM再開が加速しているのは、10月の番組改編期を見越してのことだと考えられる。テレビ局では、4月と10月の半期ごとに大きな番組改編が行われる。
テレビCMには番組提供(タイム)とスポットCMの2つの種類がある。スポットCMは、番組を指定せずに流すCMで、放映の契約は随時行われる。
一方で、番組提供は「番組の制作費をスポンサー企業が負担する」という位置づけになっており、番組改編が行われる前にスポンサーが決定する。番組提供のスポンサーは放映の2カ月前くらいに決まってくる。「10月からCMを再開する」と発表している企業もいくつかあるが、10月の改編期に番組提供を行うことになるはずだ。
いち早くCM再開を発表した企業は、当初はSNSやニュースのコメント欄で叩かれていたが、実際に再開した後には大きな批判を浴びている様子は見られない。
そもそも、首都圏以外の地方都市においては、系列局が番組を放映しており、視聴者は「フジテレビの番組を見ている」という意識はさほど強くはない。
実際、筆者は鳥取県の出身で、大学時代は関西にいたが、当時は「山陰中央テレビ」や「関西テレビ」の番組を見ている――という意識だった。
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