【セリカやシルビア、プレリュードが作り出した懐かしのジャンル】昭和の時代にブームとなった「スペシャリティカー」の歴史を振り返る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
1970年に発売されたトヨタの初代セリカ。日本初のスペシャリティカーとして登場し、2ドアハードトップクーペのボディを採用
1970年に発売されたトヨタの初代セリカ。発売当初はクーペボディのみの設定だったが、1973年にバックドア(テールゲート)を備えたセリカ リフトバックがラインナップに追加。写真はセリカ リフトバックとなる(写真:トヨタ自動車)

スペシャリティカーとは、もはや死語であるかもしれない。その意味は、独自性のあるクルマということだ。

いわゆる4ドアセダンでも、クーペでもなく、スポーツカーとも違い、ましてSUV(スポーツ多目的車)でもないクルマであり、姿形が独創的で、比較的身近に手に入れられることができる車種を指す。

日本初のスペシャリティカーと言われる「セリカ」誕生

日本車でスペシャリティカーを強く意識させたのは、トヨタの初代「セリカ」ではないか。

初代セリカは、「カリーナ」と共通の技術を背景に、1970年に誕生した。「だるまセリカ」と愛称された姿は、それまでのどのクルマとも違った外観を持ち、美しく、優雅で、かつ爽快さを備えていた。ごく普通の5ナンバー車と変わらない価格で売り出され、この特別な1台を多くの人が手にすることができた。

セリカはまた、フルチョイスシステムという受注方式を採用し、エンジンや装備などを消費者の好みに合わせて選択できるようにすることで、自分好みの1台という仕立てにできた。ただ、この時代は、まだ最上級車種を好む志向が強く残っていたため、個性的な1台より、のちの下取りに有利と思える最上級のGTが選ばれることが多かった。

それでも、外観的な個性のみならず、受注の仕方も個人の好みを生かせる新たな取り組みは、まさにスペシャリティカーの名にふさわしいクルマであったといえる。

次ページスペシャリティカーの定義とは
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事