【セリカやシルビア、プレリュードが作り出した懐かしのジャンル】昭和の時代にブームとなった「スペシャリティカー」の歴史を振り返る

とはいえ、スペシャリティカーの定義は、なかなか難しい。クーペやハードトップとの違いを明確に示すことができない例もある。あるいは、スペシャリティカーという表現が生まれる前に、それに相当する車種があったともいえなくもない。
日産「シルビア」は、セリカより前の1965年に誕生した。オープンスポーツカーの「フェアレディ」をもとにしたといわれる。車体は、宝石のカットのように鋭さがありながら優美さもある独特な姿で、憧れの的になった。

初代の販売台数は、大衆車である日産「サニー」の2倍近い価格であったため多くは望めなかったが、1980年代後半に登場した5代目は、爆発的な人気を得た。
今年復活するホンダ「プレリュード」

ホンダ「プレリュード」も、スペシャリティカーの1台といえるだろう。
1972年の「シビック」や、1976年の「アコード」によって、自動車メーカーとしての地位をホンダが確立したあと、1978年に誕生したのがプレリュードだ。
シビックやアコードが既存の路線で開発されたクルマであったのに対し、プレリュードは2ドアのノッチバック風でありながら、屋根は低く、リアウィンドウに傾斜を持たせた独特の存在感があり、スペシャリティカーといえる趣向を備えていた。

1982年の2代目は、前輪駆動車でありながらミッドシップのようなボンネットフードの低さを造形の特徴とし、一躍人気の1台へ躍りあがった。
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