こうした流れで発表するよう、授業で指導されたのでしょう。恥ずかしがり屋のお子さんも、やんちゃそうな男の子も、立派な発表になっていました。
「決めゼリフ」から始めれば、テーマがブレることなく、確実に相手に伝わります。
その「前置き」は、誰のため?
法人研修で、女性管理職にトレーニングしたときのことです。会の冒頭で担当者が、
「みなさま、こんにちは。本日は本来別の者が担当するはずだったのですが、急きょ私が説明することになりまして、私自身びっくりしまして、慌てて資料を作成したところでございますが……」と、挨拶を始めました。私は「あぁ、またか~」と苦笑いです。
説明下手は、このようにすぐ本題に入らず、前置きから始めることがよくあります。
前置きは、会合の挨拶でもよく見られます。「突然のご指名で、何を話すか全く準備していなかったものですから……」「このような賞をいただけたのは、◯◯様、△△様、□□様……(続く)のおかげで」。
あなたもこのような挨拶、幾度となく聞いたことがあるでしょう。
ビジネスシーンでは、悪い報告を上司にしなくてはならないときなどに「自分が叱られるのではないか」との不安から、状況説明や言い訳といった前置きから話し始めてしまうようです。多くは自己防衛の意識の表れです。
しかし、本人にとってのドキドキや自己防衛は、聞く人にとっては全く関係のないこと。いつまでも結論に辿りつかない長い話は、相手をイラつかせたり、退屈に感じさせてしまいます。
一方、説明上手はすぐに本題に入ります。結論から伝えれば、まず、相手をイライラさせることはありません。
部下:「いえ、納品が2週間遅れており、今月28日の予定です」(結論)
部下は上司からの問いに結論から伝えました。知りたいことがすぐにわかったので、上司はひとまず納得できるでしょう。ただし、この会話の場合、結論だけでは「どうして?」との疑問も残ります。そのようなときは、結論の後に補足説明をしましょう。
部下:「いえ、納品が遅れており、今月28日の予定です」(結論)
「というのも、海外工場が先日のハリケーンで被災して、生産がストップしているのです。現在、ほかの工場から部品を取り寄せていますので、2週間後には納入が可能です」(補足説明)
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