劇場版《鬼滅の刃》ヒットの一方で「盗撮」「違法アップロード」の被害も。日本映画最速で「興収100億円突破」の本作が業界に与える影響は?
これも映画館での鑑賞に慣れてない人が増えたからでは……と思う方もいるかもしれませんが、たとえ不慣れでもほとんどの人は上映前に流れるマナーの説明をしっかり守ります。
そもそも、マナー違反をする人自体は本作の上映に限らず普段から存在するので、本作では単純に観客の母数が増えた分、迷惑客に遭遇する確率が上がってしまっているのでしょう。
値上げが相次ぐ現在、1回の映画鑑賞料金は決して安くありませんし、中には一度しかない本作の鑑賞体験がマナー違反者によって台無しにされた人もいるかもしれません。
「席ガチャ」とも称されるこうした座席の当たり外れに関しては、人の少ない上映回で、周りに人がいない席を選ぶことが一応の対応策となっているのが現状です。
また本作の上映に関する問題としては、作品の公式Xが注意喚起を行ったことで注目を集めた、映画本編の盗撮および違法アップロードの件もあります。
実は、作品側が盗撮や違法アップロードに対して注意喚起を行ったのは今回が初めてのことではなく、同様のことが今年『無限列車編』のリバイバル上映でも生じていました。
該当の注意喚起には、劇場に行けないと言い訳をする人たちから盗撮擁護の声も集まっていましたが……本当のファンは盗撮映像を見るぐらいならば劇場で見るまで我慢ができます。
それ以前に、そもそも盗撮や違法アップロードはどんな理由があっても許される行為ではないのですが、いかんせん注目度が高い分、本作では作品側が注意喚起を行うほど頻発してしまっているようです。
本作をきっかけとしたこれまでにない規模での観客の母数の増加には、こうしたマナー違反者や違法者をも映画館に引き寄せてしまうという一面もあるようです。
総合的にはプラス影響が大きい
いくつかの問題をはらんではいますが、それでも総合的にみると、本作の盛り上がりが日本の映画興行界に与える影響はプラスの面が大きいと思います。
なによりビデオ配信サービスが定着した今、映画館によく行く人/まったく行かない人との差が大きく広がる中で、映画館での鑑賞者の母数を増やしているのは注目すべき点です。
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