劇場版《鬼滅の刃》ヒットの一方で「盗撮」「違法アップロード」の被害も。日本映画最速で「興収100億円突破」の本作が業界に与える影響は?

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しかし同時に、ビデオ配信サービスの普及と定着により『どうせすぐ配信で見られるから……』と、映画館にまったく足を運ばなくなった人も少なからずいたはずです。

そうした人たちの中にも「『鬼滅』は映画館で見ておくか」と、ともすれば今回『無限列車編』ぶりぐらいに劇場へ足を運んでいる人がいるのではないでしょうか。

また、そうした普段映画館での鑑賞習慣がなかった層の中には、友達と連れ立って/親に連れられ、本作が初めての鑑賞体験となっている子供もいるようです。

家族で楽しめる毎年の『ドラえもん』や『アンパンマン』の映画や、小中高生にも人気の『すとぷり』や『プロセカ』の劇場版なども、これまで数多く公開されてはきました。それでも“普段からまったく映画館に行く習慣のない環境”では、それらの作品を映画館で鑑賞し、その後の鑑賞習慣が根付く機会がこれまでなかったという人もいるはずです。

そうした子供たちの中には、『無限列車編』のときは幼すぎたために今回の『無限城編』が初めての映画館での鑑賞体験、つまり映画館デビューとなっている人もいると思います。

映画館によく行く身としては、近年叫ばれる“映画館離れ”という言葉には正直あまり実感が持てずにいました。しかし、本作でこれまでにない盛況をみせる劇場の様子は、一部で映画館離れは本当に起きていて、同時に日本にはまだ潜在的な観客がこれだけ眠っていたことを示してもいます。

たとえば大人世代にとってのジブリ作品のように、本作『無限城編』は、普段は映画館と距離がある層にも『これは映画館で見ておこう』と、劇場に足を運ばせるきっかけとなっていそうです。

マナー違反や盗撮の報告がSNSで目立つ

ポスター
人気の一方、マナー違反などの報告もSNSでは目立つ(筆者撮影)

普段よりも多くの人々が映画館に足を運ぶようになった現状は、いくつかの問題も生じさせています。

中でも本作の公開後、SNSなどで特に目立つようになったのが、上映中のおしゃべりやスマホの使用、座席を蹴るなどといった“鑑賞時のマナー違反”の報告です。

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