2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、ロシアは中国製品の輸入を急拡大し、それが中欧班列の貨物輸送量拡大を支えていた。ところが2025年に入ると、“ロシア特需”の息切れがはっきりしてきた。

「ロシア企業は今、政府財政の逼迫、資金調達の困難、消費者の購買力低下、過剰在庫など多数の問題に直面している」。前出のフォワーダーの経営者はそう指摘する。
さらに、6月から8月にかけてはもともとロシアの休暇シーズンだ。ロシア企業で多数の従業員が長期休暇を取り、生産活動や物資調達が停滞していることも、中欧班列の不振に拍車をかけているという。
戦争終結まで低迷持続も
国家鉄路がヨーロッパ行き国際貨物列車のブランドを「中欧班列」に統一したのは2016年のことだ。それ以来、中欧班列の貨物輸送量は2024年まで右肩上がりで伸び続けていた。

なかでもロシア特需がピークに達した2024年は、年間の運行本数が1万9392本と前年比10.7%増の2桁成長を記録した。
だが、ロシア向け貨物輸送が大幅な減少に転じた今、その穴を埋められる需要は見当たらない。前出のフォワーダーの経営者は、今後について次のような見方を示した。
「中欧班列の低迷は、ロシアとウクライナの戦争が終わるまで打開できないだろう」
(財新記者:趨暁桐)
※原文の配信は7月18日
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