中国発国際貨物列車、不振が示すロシア景気悪化 2025年上半期に往路の貨物輸送量が2割減少

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2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、ロシアは中国製品の輸入を急拡大し、それが中欧班列の貨物輸送量拡大を支えていた。ところが2025年に入ると、“ロシア特需”の息切れがはっきりしてきた。

中欧班列の貨物輸送量の拡大は「ロシア特需」への依存が大きかった。写真は中国からモンゴル経由でロシア方面に向かう鉄道貨物の積み替え拠点(二連浩特市人民政府のウェブサイトより)

「ロシア企業は今、政府財政の逼迫、資金調達の困難、消費者の購買力低下、過剰在庫など多数の問題に直面している」。前出のフォワーダーの経営者はそう指摘する。

さらに、6月から8月にかけてはもともとロシアの休暇シーズンだ。ロシア企業で多数の従業員が長期休暇を取り、生産活動や物資調達が停滞していることも、中欧班列の不振に拍車をかけているという。

戦争終結まで低迷持続も

国家鉄路がヨーロッパ行き国際貨物列車のブランドを「中欧班列」に統一したのは2016年のことだ。それ以来、中欧班列の貨物輸送量は2024年まで右肩上がりで伸び続けていた。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

なかでもロシア特需がピークに達した2024年は、年間の運行本数が1万9392本と前年比10.7%増の2桁成長を記録した。

だが、ロシア向け貨物輸送が大幅な減少に転じた今、その穴を埋められる需要は見当たらない。前出のフォワーダーの経営者は、今後について次のような見方を示した。

「中欧班列の低迷は、ロシアとウクライナの戦争が終わるまで打開できないだろう」

(財新記者:趨暁桐)
※原文の配信は7月18日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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