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習近平とプーチン、友好の背後に「根深い対立」/かつて誓った「限界なき友情」は幻想と言いうるワケ

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第二次世界大戦終結80年軍事パレードで、天安門広場のスクリーンに映し出された習近平国家主席(中央)、ロシアのプーチン大統領(左から2番目)、北朝鮮の金正恩委員長(右から2番目)の姿。
(写真:Qilai Shen/Bloomberg)

中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が2015年に天安門広場で並んで閲兵し軍事パレードが行われてから、多くのことが変化した。先日、再び天安門広場で肩を並べた両人は対等の立場という建前だが、現実はもちろんもっと複雑だ。

チェコ・プラハに本拠を置く国際的NPO「プロジェクト・シンジケート」は多くの有力者の論評・分析を配信しています。「グローバルアイ」では、主に同シンジケートのコラムの中から厳選して翻訳・配信しています。

22年にロシアがウクライナに侵攻して以降、中国が優位な立場を固めたという見方が定着した。何しろロシアにとって中国は今では最大の貿易相手国で、23年には全輸入の半分以上が中国からのもので占められた。反対に中国の貿易相手国としてロシアは上位5位にも入らない。ロシアは原油輸出のおよそ半分を中国に頼っているが、中国の原油輸入に占める割合は17%にすぎない。ロシアが経済を回していくのに中国は欠かせない存在になっている。

ところが中国はロシアに口出しせず、クレムリン(ロシア大統領府)も格下の同盟国のようには振る舞っていない。ウクライナの戦争がいい例だ。この戦争は米国の軍事資源を太平洋方面からそらすなど、中国に相当な利益をもたらしているとはいえ、プーチンが戦争を仕切っていることに疑いの余地はない。

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