では米粉と小麦粉、それぞれどんな特性があるのかを見ていきましょう。
米粉は文字通り、コメを砕いて粉にしたものです。小麦粉と違ってグルテンフリーで、血糖値の上昇が小麦粉より穏やかです。ちなみにグルテンとは小麦粉に含まれるたんぱく質のことです。
そして米粉は食感が軽いのが特徴です。
米粉のパンケーキはモチモチしていながら、ふわっと軽い。これは含まれるたんぱく質の違い。米粉に含まれるのは「オリゼニン」というたんぱく質です。「オリゼニン」は粘り気がなく、あっさりした食感なのです。
一方で、小麦粉のたんぱく質・グルテンは粘り気があり、パンのように膨らませる食べ物に向いています。
逆に、ロールケーキやパンケーキのように、あまり膨らませない食べ物に使うと、どっしりとして食べ応えのある食感になります。
また小麦粉のグルテンは油や砂糖を抱き込む性質があります。でも米粉はグルテンと比べて油や砂糖を吸収しません。だから小麦粉はこってりしたスイーツと相性がいいのですが、米粉はこってり系は苦手。
逆に、米粉が得意とするのは和菓子やもち菓子などのあっさり系のスイーツです。つまり「低糖、低脂質のお菓子が作りやすい」のが、米粉の特徴です。
ちなみにカロリー自体は小麦粉も米粉もたいして差がありません。「米粉のほうがカロリーが低い」と思っている人が多いのですが、それは誤解です。
米粉は「小麦粉の代替品」か
このように米粉、小麦粉はそれぞれの特性があります。しかし世の中には「なんでもかんでも小麦粉の代わりに米粉を」という風潮があるようです。
特にSNSは「小麦粉の代わりに米粉でヘルシーに」というレシピ動画が再生回数を稼ぎ、「米粉=小麦粉の最強代替品」というイメージが定着しつつあるようです。
しかし米粉の特性を知らずに、たんに「小麦粉の代用品」として米粉を使ってもおいしいものはできません。



















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