気になることがいつも脳裏から離れない…そんな《ストレスの元》になる「心の猿」を飼いならすコツ
このように、頭の中で入れ替わり立ち替わり思考や雑念が現れて、脳がフル稼働している状態のことを「モンキーマインド」といいます。猿が木の枝から枝へと飛びまわる様子に例えた言葉で、仏教用語の「心猿(しんえん)」に由来するという説が有力です。
モンキーマインドの状態が続くと、脳疲労が蓄積し、脳に大きな負担がかかります。これを鎮めないと、疲れを取ることができません。
ここで大事になってくるのが、頭の中で動き回る猿を「自分自身とは別の存在」と認識すること、そして猿たちと同じ目線に立たず、距離をおいて俯瞰することです。
例えば、仕事に集中したいときに、同じ部署で働くライバルの同期の存在が目に入り、どうしても気になってしまう場合は、その雑念(=猿)に名前をつけるのです。
仮にAさんとして、職場では似たような猿たちが頭の中にしょっちゅう現れることに気づいたとすれば、「自分はAさんのことばかり気にしている」と自覚できます。
それにより、自分の余計な思考や雑念の傾向がわかり、「Aさんのことを気にしても自分の仕事の成果が上がるわけではない」と、冷静に分析できるようになるでしょう。頭の中の猿を飼いならす――これがモンキーマインドを鎮める方法なのです。
リフレーミング(捉え方を変える)で気持ちをラクに
気持ちが落ち込んでいるときは、たいてい物事を客観視することができていません。とかく悪いほう、悪いほうに考えてしまいがちです。言わずもがな、心は疲れます。
そんな自分に気づいたら、いったん立ち止まって冷静になり、「本当にそこまで悪いことなのか」あるいは「別の捉え方はできないか」と、問いただしてみましょう。
「今、○○ということに対し、○○であると自分は考えている」と言葉にして内容を整理すれば、抱えている問題やネガティブな感情を客観視することができます。
このように、「見えているものや置かれている状況の枠組みを外し、別の枠組みにすること」を、心理学用語で「リフレーミング」といいます。
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