薬局で買える抗肥満薬に「痩せる効果」はどれぐらいあるのか?「食欲を抑える」「脂肪の燃焼を促進する」「代謝を上げる」と書かれたサプリを飲む前に知っておくべき真実

薬局で買える抗肥満薬で痩せられるのか
2024年4月に、新しい抗肥満薬が発売されました。医師の処方箋は不要で、薬局で買うことができます。
すでに世界120カ国以上で販売されていますが、あくまでも予防薬であって、病気の治療薬ではありません。
病気と聞いて、不思議に思った人がいるかもしれませんね。じつは、肥満には病気の肥満と、病気とまではいかない肥満があるのです。
肥満かどうかは、BMIで判断します。BMIが18.5以上25未満であれば普通体重、25以上なら肥満です。
ただし、脂肪が過剰に蓄積していることが条件なので、筋肉の塊のようなプロの格闘家などの場合は、BMIが25以上でも肥満とはいいません。
これに対して、肥満に加えて、肥満を原因とする健康障害があると「肥満症」という病気と診断されます。たとえば、高血圧、糖尿病、脳梗塞、脂肪肝などを発症しているような場合ですね。
冒頭で述べた「治療薬ではない」というのは、肥満症にまでなると、この薬は効きませんよ、という意味です。
さて、この新しい抗肥満薬は、どんなしくみで働くのでしょうか。
食物に含まれる脂質は、小腸に運ばれると、消化酵素の働きで分解、吸収されます。この抗肥満薬は消化酵素の仕事をじゃまするため、脂質がそのまま排出されます。
それはすごい! と感動しそうになりますが、残念、食物の脂質のうち、消化されずに出ていくのは25%のみ。残りの75%は通常のように消化、吸収されます。
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