イランは米紙支局長釈放で憎しみに終止符を 核合意が成立した今こそが絶好の機会だ

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私は人質になっていた当時、自由になれる条件とその時期は米国とイランの関係次第だと確信していた。オマーン国王の仲介で米国とイランの高官が数回にわたり秘密協議を行ったとAP通信が2013年に報じた時、この確信は公的に裏付けられた。この秘密交渉は歴史的な核合意への道を開いた。

「皮肉にも」とAPは当時報じた。「ハイキング中に拘束された米国人3人の釈放を勝ち取る努力が、秘密交渉を可能にする一助となった」と。

今年の10月18日は核合意に基づき双方が義務を果たし始める「採択日」だった。合意によると、イランが最初に誠意を示す必要がある。遠心分離機除去や濃縮ウラン備蓄の削減、アラクにある重水炉のコア部分破壊などが12月までに行われるよう期待されている。

核合意の「恩恵」が釈放のカギ

しかし、イランが義務を果たしたと合意の締結国が認める「実施日」が訪れるまで、制裁を解除される保証はない。つまり、イラン国民は来春まで、合意による経済的な恩恵を受けられない可能性があるのだ。

来年2月に議会選挙を控えているイランのロウハニ大統領には、そこまで待つ余裕はない。「実施日」の早期到来に向けて、またイランの人権に関するイメージを改善させるためにも、彼はあらゆる手段を取る必要があるのだ。そこで、収監されている人物としては現在最も目立つレザイアン氏が、人道主義的を示す釈放の明確な対象となる。

そこで、こういう疑問が出てくる。ロウハニ大統領はレザイアン氏釈放を行う十分な力があるのかどうかという点だ。

人質釈放の決定権を最終的に握るのはイラン最高指導者のハメネイ師だ。彼は強硬論者から、制裁解除により米国などが彼らの目的を満たすまではレザイアン氏の拘束を続けるべきだと言われているだろう。

これは、無実の人とその家族が受けた被害にとってはどうにもできない、強情かつ冷淡な均衡状態だ。その文章を読む限り、レザイアン氏は、釈放されれば情け深く賢明な発言をする人物のようだ。

現在はまさに、米国とイランのこれまでの関係に終止符を打つ時だ。合意実施と制裁解除は、早ければ早いほど良い。

私はレザイアン氏の件が、憎むべき「パターン」の最後の事例となり、一つの時代が終わるよう望む。イランが同氏釈放をいつにするか私には分かりようがないが、現在ほどの好機はないだろう。

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