「安さ」か「安心」か? アゴダ問題で見えた旅行予約サイト「最安値」の盲点。私が世界一周でアゴダ予約を「1件」に抑えた理由

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こんなことは初めてで頭が真っ白になったが、エクスペディアには24時間対応の電話窓口があり、日本時間の深夜だったにもかかわらず、日本語を話すオペレーターが対応してくれた。

結果、1万円の手数料を払ってチケット代は返金されることとなった。即座に対応してもらい、心の底から安堵した。

予約するときは価格に目を取られがちだが、海外で問題が起きたときは母語で即時にやり取りができるチャットや電話があると安心感が違う。アゴダは確認や返金の可否に時間がかかり、フライト予定日も迫っているので気が気ではなかった。

他のサイトも複雑な料金設定

アゴダも一切信用できないというわけではない。旅行の日程、泊まりたいホテルが決まっていて、比較したら明らかに安いときはアゴダも利用している。

予約の際に、ツインかダブルか、あるいは禁煙、喫煙、チェックインの時間などリクエストできるので、リクエストメッセージを送信し、宿から返信が来たら予約は通っていると判断できる(他のプラットフォームも同様だ)。

全体としてはアゴダが安いものの、タイやラオスの宿泊施設は中国人の旅行者が多いからかTrip.comのほうが低価格だった。Trip.comは航空券を予約すると、航空券予約特典としてそのエリアのホテルをびっくりするくらい低価格で予約できることもある。

インドのホテル
インドで国内線のフライトをTrip.comで予約したところ、国際ホテルチェーンのホリデイ・インを1泊朝食付き4200円で予約できた。他のサイトより3割以上安かった(画像:筆者撮影)

円安で海外旅行は割高だし、国内の宿泊施設はインバウンド需要で高騰している。プラットフォームを見比べて一番安い価格で予約したいという気持ちはよくわかる。

しかし比べれば比べるほど、プラットフォームの価格設定のややこしさにも気づかされる。Booking.com、Trip.comともにスマホのアプリから検索すると「モバイル限定割引」が表示され、PCからの予約より安くなることがある。デバイスによって価格が変わるのも実にわかりにくい。

「ホテルに着いたら予約が入っていなかった」というような大きなトラブルだけでなく、わかりやすさについても改善を進めてほしい。

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浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

福岡市出身、早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で教員。現在は経済分野を中心に執筆編集、海外企業の日本進出における情報発信の助言を手掛ける。近著に『崖っぷち母子 仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』(大和書房)『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
X: https://twitter.com/sanadi37
公式サイト: https://uragami-sanae.jimdosite.com/

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