「先生だけの学校」はもう時代遅れ!? 日本の教育DXがもたらす"学び方の多様性"と"ビジネスチャンス”
そして、いま日本の学校教育もそのような世界的な教育改革の潮流のなかで発展を遂げつつあります。令和5〜9年度に実行される教育振興基本計画には、「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」が掲げられているのです。
理想の教育に唯一の正解はない
フィンランドの教育が日本で注目されるようになったのは、2003年と2006年におこなわれたPISAのすべての分野で1位、あるいは2位を取ったからです。
日本では「学力世界一のフィンランド」として興味を持たれたといえます。北欧の小国がなぜ世界で1位を取れたのか、その驚きがフィンランドの教育について注目するきっかけになりました。
詰め込み教育ではないことをはじめ、フィンランドと日本では、学校観、学習観、ひいては社会観や人生観まで異なっているため、いまもなおその教育は注目されています。
しかし、フィンランドは近年、PISAの点数と順位を落としています。かつては「学力世界一」だったフィンランド国内でも、現在は学力をめぐる論争が起こっており、学校教育のあり方が模索されています。
たとえば、世界的に著名なフィンランドの教育学者パシ・サルベリ氏は、PISAはあくまで測定器であり、それ自体が目的ではないとコメントしています。
フィンランドの教育はウェルビーイングの実現を学校教育の土台に据え、あくまで学力はひとつの尺度・結果だと捉えたうえで、ウェルビーイングの実現という大きな目標に向けて改革を進めながら試行錯誤しているように見受けられます。やはり理想の教育に唯一の正解はないのです。
私たちも、目先のテストの結果に惑わされず、ウェルビーイングという高次の観点でこれからの時代に合った学びや学校教育のあり方について考え、挑戦を重ねていくことが必要ではないでしょうか。
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