「先生だけの学校」はもう時代遅れ!? 日本の教育DXがもたらす"学び方の多様性"と"ビジネスチャンス”
自社の事業の強みや特長を活かし、さまざまな形で企業と学校が協働する多様な形態が出現しています。
企業の社会的責任(CSR)を果たすための出張授業などの取り組みは、以前からおこなわれてきましたが、教材などの製品・サービスの提供など、事業としても形態が多様化しています。
高度化する学校現場では、以前のように何でも自分たちでまかなう自前主義では立ちゆかず、私立学校は当然のこととして、文部科学省のGIGAスクール構想のように、公立においてもDXに関する予算(令和元年から3年の合計で約7000億円)がつくなど、経済的な規模も増しています。
この点で、学校教育を市場として捉えるときには、市場は大きく拡大しているといえます。つまり、事業をおこなう企業が活躍する土壌が増えているということです。
DXが進む今日において、この傾向は続いていくと考えられます。
経済産業省では、2018年度から「未来の教室〜learning innovation〜」という事業を5カ年計画で実施しています。
当初は2022年度で終了の予定でしたが、現在も延長継続されている事業です。2019年度からは、学びのSTEAM化、学びの自立化・個別最適化、新しい学習基盤づくりを3つの柱に、9つの課題とアクションを設定し、それにもとづいた主としてEdTech企業の学校進出をサポートしています。
その内容は年度によって変化しますが、「EdTech導入補助金」では全国の小学校・中学校・高校および自治体が、学校の金銭負担がない形で企業など採択された事業者の製品やサービスを無償で導入できるなど、多様な事業がおこなわれています。
文部科学省では、2023年度から100億円の予算で「⾼等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」を推進しています。
これは情報・数学などの教育を重視するカリキュラムを実施するとともに、ICTを活⽤した⽂理横断的・探究的な学びを強化する学校などに対して、そのために必要な環境整備の経費を支援するもので、公⽴・私⽴の⾼等学校などを対象に、継続校1000校には1校当たり500万円、新規採択校200校には1000万円の補助金を交付する事業となります。
学校教育の2つの転換
社会構造の転換に伴う学校教育の転換は、大きく分けると2点あります。
1つ目は、授業を中心とする教育方法の転換です。たとえば、教育DX、探究学習、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実、主体的・対話的で深い学び、キャリア教育、ファシリテーション、AI・ICTの利活用、コンピテンシーベースの授業、OECDラーニング・コンパスの浸透と推進などです。
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