歯科医院は「斜陽産業」なのか? 倒産・休廃業が過去最多ペースの背景にある“本当の理由”

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こうした流れを受け、今後は予防をうたう歯科医院が増えることが予想される。しかし、「ユーザーファーストではない歯科医院は、何をしても経営は厳しくなる」と髙橋氏は断言する。それを示す一例として、こんなアドバイスをおくる。

「患者ファースト」はどこを見ればわかる?

「予防は、基本的には3カ月に1度くらいのペースで行えば十分です。その際、私たちは、しっかり1時間をかけて患者さんのお口の状態をチェックします。しかし、中には30分程度で終える歯科医院もあります。はっきり言って、これでは十分な予防はできません。保険が適用されるということは、やらなければいけないことが決まっているということ。そのプロセスは、とてもじゃないですが30分では終わりません。時間一つを取っても、患者さんのことを考えているか、いないかがわかります」

髙橋氏は、「ユニクロが普段着を『LifeWear』と再定義したように、歯科業界も予防歯科を『健康づくりのインフラ』と再定義し、真剣に取り組んでいかなければいけない」と語る。

それができる歯科医院と、旧態依然とした歯科医院の二極化が進んでいくと髙橋氏は考えている。

「これからの歯科医院は、『健康づくりとは何か』という根本的な問いに向きあっていくべきです。健康であるのは患者さんだけでなく、歯科衛生士を含めたスタッフ全員、そして経営者である院長先生も健康でいつづけなくてはなりません。最先端の治療技術への傾向も大変素晴らしいことですが、一方で過去最多で倒産しているのは、そのツケとも言えます。顧客不在の姿勢の表れです。

目の前の患者さん一人ひとりの健康作りをサポートするという“当たり前”を提供できていない歯科医院が多い。今こそ、歯科医院は本来の役割を思い出さなければいけません」

我妻 弘崇 フリーライター

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あづま ひろたか / Hirotaka Aduma

1980年北海道帯広市生まれ。東京都目黒区で育つ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始する。2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターとなる。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開している。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

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