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夫婦でも親子でも姉妹でも名字が異なる“別姓ファミリー”として歩んで14年。「保守的な両親」も認めた行政書士カップルの”事実婚”のやり方

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「“橘昭子”という氏名のセットで、私という人間の大切な一部分です。それが変わることに対して、嫌だなと思ったのが1番の理由でした。

その他の理由としては、私は一人っ子で、従兄弟もいなかったので、私が姓を変えたら橘を名乗る親戚がいなくなることにも、少し納得がいかない気持ちを覚えました」

「姓を変えたくない」という率直な思いを水口さんに伝えた。

「職業柄、戸籍などを取り扱っていることもあり、妻が姓を変えないのなら、私が姓を変えなければいけないとすぐに考えました。しかし、長年使ってきた姓を変えることに抵抗がありました。そして、自分が抵抗を感じることを、妻に強要したくないとも。

そこで、事実婚を提案したんです。法律婚によって生じる権利義務的な関係を契約書に落とし込んでみてはどうかと話しました」(水口さん)

その提案は、橘さんにとって予想外のものだった。

「思いがけないアイデアでしたが、真剣に向き合ったうえで“どちらかが変えるべき”という前提を手放してくれたことが嬉しかったです。やってみる価値があると感じましたし、すごく理想的で素敵な答えで感激しました」

結婚後の姓に関する話し合いは、水口さん、橘さんにとって、夫婦の信頼を深めるかけがえのない思い出になっていることが、お二人の笑顔からうかがえた。

保守的な両親が、事実婚を認めた理由

「うちの両親はかなり保守的なタイプ」という橘さんだが、事実婚について伝えた際の反応は、「反対もしないが賛成もしない」というものだった。

「両親は、私が“橘姓を残すことに固執しているのではないか”と心配していました。もしそれが別姓を選ぶ理由なら、『私たちは、水口姓に変えてもまったく構わないから気にしないでほしい』と優しく言ってくれました。それに対して、橘昭子というフルネームを変えたくない気持ちからの選択だと伝えると、納得してくれました」

もう1つ、橘さんの両親が懸念していたのが、内縁関係になること。娘が何の保証もなく同棲生活を始めることは受け入れがたかった。

その点については、公正証書を作成するかたちで契約書を結ぶことで、曖昧な関係ではないことを伝え、安心させることができたという。

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