「僕はモラハラ夫」…本人が遂に悟るに至った経緯 「よかれ」と思って妻にしたことは暴力だった(前編)
「モラハラ・DV加害者変容のための当事者団体代表/妻と穏やかな幸せを生きながら『人は学び変わると信じられる社会』を目指して活動」――SNSで、こんなプロフィールを掲げるアカウントを見かけました。
世間ではよく「モラハラ夫(妻)は変われない」などと言われます。変わることは、現実に可能なのか? もし本当に変われるのなら、パートナーや子どもたちにとって、どんなにいいかと思うのですが。
加害した本人にとっても大事なことでしょう。以前取材した男性は、妻に長年暴力をふるっていましたが、心の奥では「ずっと誰かに止めてほしかった」と話していました。妻子が家を出ていった際は「これでやっとやめられる」と、安堵する気持ちも大きかったといいます。
『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』(漫画/瀧たまこ、KADOKAWA)。これは、加害者変容のための当事者団体「GADHA(ガドハ)」代表、中川瑛さんが原作を書いたコミックです。中川さんはこれまでにどんな経験をしてきたのか? 団体では何が行われているのか。そして、加害者は本当に変わることができるのか。聞かせてもらいました。
妻のことが好きで大切なのに傷つけてしまう
――『99%離婚』では、会社員の夫が専業主婦の妻にモラハラを続け、妻は子どもを連れて家を出ていってしまいます。中川さんご自身の経験ですか?
いえ、うちには子どもがいませんし、僕は会社員でもありません。原作のストーリーは、いろんな方々のケースを統合してつくりました。ただし、加害のパターンは完全にかぶっていて、僕自身も主人公と同じようなことをしていました。
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