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「僕はモラハラ夫」…本人が遂に悟るに至った経緯 「よかれ」と思って妻にしたことは暴力だった(前編)【再配信】

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  • 大塚 玲子 ノンフィクションライター
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妻への愛ではなく、支配しようとしていた

まず「これが暴力なのだとすると、自分は親に暴力を振るわれてきたんだな」と思いました。これは「愛情があるかどうか」といった話とは別次元の話です。愛情があっても、人は暴力を振るいます。僕自身、妻を愛しているつもりで傷つけ続けてきたので、心からそう思います。

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これを認めることには、本当に大きな葛藤がありました。でも、それを認められたとき、僕はようやく妻を愛せていなかったことを認められました。愛していた、大切にしていたつもりでしたが、僕は妻を自分の望むように変えようとしていた。支配していたに過ぎなかった、と認められたんです。

だとすると、僕は「僕自身」のことをケアできるようにならなければいけない。親から受けてきた「こうすべき、ああすべき」という期待によるコントロールみたいなものを取っ払い、自分で自分の感覚を大切にできるようにならないといけないと思いました。

具体的に何が起きたかというと、今、アルコール欲求が全くないんですね。お酒を飲まないためのテクニックっていろいろあると思うんですが、そういうものは一切使いませんでした。自分の苦しみや弱さをアルコールで麻痺させることをやめて、ただただ自分の不完全さと向き合い、妻とともに生きていく。

妻も僕の弱さや不完全さと一緒に生きていこうと思ってくれているなかで、僕自身も自分のそれとともに生きていけるようになって、依存的な言動が減っていきました。

(画像:『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』より)

クリスマス前の事件から3、4カ月くらいした頃にはもう、妻から見たら変化があったそうです。僕が「GADHA(ガドハ)」という、モラハラ・DV加害者変容のための当事者団体を立ち上げたのも、ちょうどその頃(2021年4月)でした。

(次回・後編に続く)

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