「一番大変だったのは部屋探し」「モフモフすぎて水濡れ厳禁」チンチラに魅了された男性が“100万円”貯めてマンションで飼い始めるまで
しかし、体が小さいとはいっても小型のウサギほどの存在感があり、しかも夜になると活発になる。ケージ内の回し車で夜中にハッスルでもされれば、それなりの振動音に近所の目も気になるだろう。
さらに飼育をするうえで忘れてはいけないのが、チンチラは“水濡れ厳禁”という点だ。毛が密集しているため(だからこそモフモフなのだが)、一度濡れると乾きにくく、体温調節がうまくできなくなってしまうという。

そう考えると、チンチラを飼うのは簡単ではない。現在3歳のチンチラ「ペペロンチーノくん」と大阪府で暮らす一真さん(34)も、飼育準備のため2年の年月を要したという。
インスタでチンチラに魅了された
一真さんは5年前、インスタグラムで見たチンチラに魅了され、絶対にお迎えしようと決意した。実家暮らしで家族もみな大の動物好き。チンチラをお迎えするには絶好の環境のように思える。しかし一真さんには、実家を出なければならない深刻な理由があった。
「実家のリビングで、フクロウを放し飼いしていたんです」
チンチラにとって、フクロウは天敵だ。数分と持たずに捕食されてしまうだろう。一真さんは自宅を出ることを決意する。
まずは本業に加え、ウーバーイーツの配達員として1年ほど働いた。チンチラの生体価格は4万円から12万円程度、必要な初期費用を考えても10万円程度で済むが、引っ越し費用や万が一の動物病院代なども考慮して100万円ほど資金を貯めた。
「一番大変だったのは部屋探しでした。なかなか条件に合う部屋が見つからなくて」
一真さんの条件は、ペット可物件であり、職場にも動物病院にも通いやすい距離にあり、家賃も予算内であること。車を持っていない一真さんにとって、動物病院に通いやすいことは最も重視すべき条件でもあった。
犬猫以外の診療が可能な動物病院は、意外に少ない。チンチラの診察が可能な病院は、東京都内でさえ10件しかないという(一般社団法人日本チンチラ協会より)。
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