「オルカン買う人は出世できない説」 FPがあの論争を見て感じたこと 出世はともかく、オルカンをそもそもどれだけ理解できているのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「出世」軸、仕事に置き換えると…

この議論では、オルカンに投資する人は、世間的に良いと評価されているモノ・価値に流されており、自分軸がないから出世できない、つまり仕事ができない、ということを言っていたようです。

あえて炎上を狙ったような言葉選びから、色々な意図が隠されている感じがするのは、私だけではなさそうです。

まず、気になったのは、出世うんぬんという「価値観が古い」ということ。最近は管理職になりたがらない、出世を避ける風潮も広がっていると聞きますので、「どこの誰に向けて話しているの?」という違和感がありました。

20年早ければ、団塊世代などは「オルカン信者は出世できない」とあおれば、自分なりのファンド選びをする人もいたのかもしれません。

一方で、ネットなどでオルカンがいいと知り、いろいろ吟味したうえでオルカンにたどり着いた、投資した人もいるでしょう。

私はオルカンの黎明期に投資した人と、これからオルカンに投資する人は、大きく異なる志向があると考えています。

2010年頃、黎明期のオルカンに投資し始めた人は、“目利き力”があったように思います。インデックス投資信託(パッシブ運用)の低コスト構造、1つの投資信託で世界中の株式市場に網羅的に投資ができる効率性、アメリカ市場の成長性以外に先進国投資による投資先分散と新興国に投資することによる先行投資ができること、がオルカンの利点です。1粒で3度美味しいお得感、を当時、自身で評価できた人は、慧眼だったと思います。

そうして自分の力でオルカンにたどり着いた冒険家・探検家たち。マーケティング用語でいう、イノベーターとアーリーアダプターの人たちと考えられます。

一方で、後追いで「ネットに書いてあった」「(フォロワー数が多い)インフルエンサーが勧めていた」ということで、旧つみたてNISAでオルカンを購入した人たちは、アーリーマジョリティー、新NISAでオルカンを始めた人たちはレイトマジョリティーになるでしょう。つまり、ブームになった後から追った人たちです。

黎明期から投資している人と、後追いで投資する人を比べた時には、どちらの選択が正しいのでしょうか。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事