「1分で600個の卵割る」海外人気も高まる“キユーピー マヨネーズ”100周年の製造現場

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キユーピーにとっても、消費者の反応を間近で見る貴重な機会であり、新たな商品ファンの獲得や認知拡大につながっている。見学を「伝える場」であると同時に、「感じてもらう場」として捉えているのだろう。

最後には、うれしいお土産も手渡され、見学体験をより印象深いものにしてくれる。

生産トラブルが起きにくい現場づくり

ここで、もう少し生産現場の内側について話を聞いてみた。キユーピーの生産工場では、品質向上を目的とした「夢多゛採り(ムダトリ)活動」と呼ばれる、全社員参加型の改善運動が根づいているという。

「夢を多く採る」という名前の通り、現場の一人ひとりが方向性や想いを共有しながら知恵を出し合い、主体的に考え行動することで、「夢=ありたい姿」の実現を目指している。部署や雇用形態に関係なく、現場での小さな気づきを起点に、日々の業務改善が積み重ねられているのだ。

全社員参加型の改善運動「夢多゛採り(ムダトリ)活動」を行っている(写真:キユーピー株式会社提供)
生産工場の全社員参加型の改善運動「夢多゛採り(ムダトリ)活動」を行っている(写真:キユーピー株式会社提供)

たとえば、ある設備では作業台の高さが合わず、屈んだ姿勢で作業せざるをえない状況が続いていた。そこで設備のかさ上げを行い、作業性と安全性を改善。腰への負担が軽減されたことで、作業者の負担が減っただけでなく、姿勢の安定により品質面でのバラつきも抑えられ、異物混入のリスクも低減されたという。

こうした改善の積み重ねにより、大きな生産トラブルが起きにくい安定した現場が築かれてきた。一方で、近年ではトラブルを実際に経験していない世代が増えたことで、「いざというとき」の対応力や判断力の継承が難しくなっているという課題も見えてきている。

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