「1分で600個の卵割る」海外人気も高まる“キユーピー マヨネーズ”100周年の製造現場
「今後はAIやロボットの導入も検討しています。人手不足が進む中でも、高い品質を保ちながら持続的な生産体制を築きたいと考えています」
現場の社員が工場見学を案内する理由
企業の広報活動の一環として、工場見学を実施する企業は年々増えている。だが、これまで数多くの工場見学を経験してきた筆者から見ると、キユーピーの姿勢には他社と異なる“らしさ”がある。
それは、見学ツアーの案内役を、専属のアテンダントではなく、現場で働く社員が担っている点だ。製造現場に携わるスタッフが、設備や工程について“自分の言葉”で説明する。
筆者が訪れた際も、製造現場出身の社員が案内してくれたのだが、質問への答えがとにかくリアルで、具体的だった。現場ならではの視点と説得力がある。

大手メーカーでは、ホスピタリティを重視して外部アテンダントが対応することが多いが、そうした説明はどうしても“現場の温度感”が希薄になりがちだ。
その点、キユーピーでは“働く人”が“働く現場”を語る。このスタイルには、企業文化そのものがにじんでいるように思う。
「現場を知らない人が話すより、実際に携わっている人の声のほうがやっぱり伝わると思うんです。見学者と会話しながら、いろんな気づきもあります。キユーピーの工場見学って、ただの“見学施設”ではなく、生活者とつながる“コミュニケーションの場”だと思っています」
見学の締めくくりには、複数のマヨネーズやドレッシングを自由にかけて、サラダを試食できる体験が用意されている。普段はつい無難な1本を選びがちな調味料だが、ここでは思いがけない味との出会いがある。

「来場者の方からは『いつもと違う味にチャレンジできた』『今度はこれも購入してみたい』といった声を多くいただいています」
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