新Galaxy Z Fold7の薄型化で折りたたみスマホの概念が一変。二つ折りiPhone登場説がいよいよ現実味を帯びる

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このように中国では折りたたみスマートフォンに対してポジティブな印象が広がっているが、日本を含む多くの国ではネガティブな印象、あるいは存在すら知られていない状況だ。そのためアップルが折りたたみスマホを開発かといった噂話が時折出てきても、それを本気にするどころか気にしない人も大半だろう。だがGalaxy Z Fold7に一度でも触れたなら「いつ折りたたみのiPhoneが出てくるのか」と、その登場を期待する声が一気に高まるだろう。

折りたたみiPhoneの登場は現実になるか

折りたたみスマートフォンは各社がプレミアムモデルとして販売しており、価格は日本円で20万円を超えるなど高価に設定されている。もしもアップルから折りたたみ型のiPhoneが出てくるとしたら、現行モデルの製品よりかなり高いものになるだろう。iPhoneと小型タブレット「iPad mini」を併用しているユーザーが、折りたたみiPhoneの1台だけで済ますことになるとすれば、価格はその2台を足したレベルになるかもしれない。

一方で、縦折り型のiPhoneならば、より手軽な価格で出てくるかもしれない。サムスンが今回Galaxy Z Fold7と同時に発表したGalaxy Z Flip7は、日本での価格が10万円台半ばだ。

縦折り型のスマートフォン=フリップフォンは、最近のモデルは本体を閉じたままでもアプリを使うことができる。Galaxy Z Flip7も本体を閉じると4.1インチの外画面でさまざまな操作が可能だ。そして本体を開けば6.9インチ画面の普通のスマートフォンとなる。

Galaxy Z Flip7
本体を閉じたままでも使えるGalaxy Z Flip7(筆者撮影)

このようにフリップフォンは、スマートフォン画面の大型化の流れの時代の中で、折りたたむことで本体サイズを小型化させ、さらにそのまま外画面でアプリを動かすことができる。大画面+小型サイズを両立できる製品なのだ。しかもGalaxy Z Flip7は外画面でグーグルのGeminiなどAIエージェントの利用もできる。ポケットから閉じたままの本体を取り出し、手のひらに握ったスマートフォンに声で話しかけるだけで情報を入手したり、さまざまなサービスを利用できるのである。

アップルは2025年春に「iPhone 16e」を発売したが、日本の消費者から要望の声が高かった小型モデルではなくなった。価格は比較的抑えられたものの、コンテンツ利用、特に動画やAIサービスの活用のため画面サイズを大型化したともみられている。

一方、スマートフォン各社はAIをスマートフォンの主力機能として強化しており、消費者側もAIアシスタントやAIエージェントの使いやすい製品をこれからは選ぶようになるだろう。

フリップフォン型のiPhoneが出てくれば、Galaxy Z Flip7同様に手のひらに収まる大きさの小型の画面でAIサービスを自在に使うことができる。そしてiPhone 16eにより発売されなかった小型のiPhoneの新たな代替製品にもなるだろう。価格もそれほど高くならないはずだ。

サムスン電子の新製品を見ると、これまで半信半疑だった「2026年に折りたたみiPhoneの登場」という噂話もいよいよ現実味を帯びてきた。アップルの動きに対する期待感がこれまで以上に膨らむだろう。

山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト

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やまね やすひろ / Yasuhiro Yamane

香港在住。石油化学企業の製造・研究・国際貿易業務を経てからフリーのジャーナリストに転身。中国および海外のスマートフォンや通信事情に精通。取材範囲は自動車、スマートシティー、インダストリー4.0、リテール、デザイン、材料まで幅広い。年の大半を海外市場の市場調査および海外展示会・発表会取材に当てており、脚で稼いだ情報を武器とする。大手IT系メディアに定期的に記事を執筆するほか、海外通信事情などの講演も積極的に行う。

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