婚活開始当初の年収は1000万円ちょっと。身長172センチ、スリムな体型、爽やかな顔立ちで、入会してみると驚くほど見合いが組めた。4年間の在籍期間で、彼は実に200件近いお見合いを重ねてきたという。これは、高年収で見た目もそこそこよい男性にありがちな傾向だ。
婚活を始める前は、恋愛に結び付く出会いもほとんどなく、家と会社を往復するだけの毎日だった。ところが、いざ結婚相談所に入ってみると、自分が“意外とモテる存在”だったことに気づく。
「選ばれる立場」から逆転
その途端、選ばれる立場から選ぶ側へと気持ちが変化し、「もっと条件のよい相手がいるのでは」「もっと若くてきれいな女性が現れるかも」と、理想ばかりが膨らみ、婚活の迷路に迷い込んでしまう。
「最初は、30歳から35歳くらいまでの女性とお見合いをしていました。ただ、どうも決められなかったし、そのうち、組める女性の年齢もどんどん上がっていって」
そこで、婚活する場所を変えようと、筆者の相談所にやってきた。
希望を聞くと、44歳になった今も「女性の年齢は、30歳から35歳が第一希望で、上でも37、38歳くらいまで」と言う。自分の年齢は婚活を始めた当初よりも5歳年をとったのだが、女性の年齢は、据え置きにしたいようだった。
さらに、「自分の収入で家族を支えられるから、女性は働いても働かなくてもいい」とも言った。
ただ、実際に婚活を始めてみると、35歳までの女性とお見合いを組むことは難しく、結局女性の年齢を39歳までに広げた。
のりおのような高収入の男性からすると、相手に求めるのは女性の自立や経済力ではなく、子どもを産み育てることができる若さと体力なのだ。
一般的に40代後半、50代の男性で子どもを望んでいるとなると、女性の年齢をどんなに引き上げても41~42歳くらいまでを上限としている。
では、ごく普通のスペックだったら、どうか。
まさえ(44歳、仮名)は、メーカーに勤める落ち着いた雰囲気の女性。年収は340万円。すでに両親は他界しており、姉は既婚で家庭があり、現在は両親の残した実家に1人で暮らしている。
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