ブラジル工場の建設過程では想定外のトラブルもあった。2024年12月、バイア州の労働監督当局が工場建設現場に立ち入り調査を行い、多数の建設作業員が「奴隷同然」の劣悪な環境で働かされていたとして工事の停止を命じた。

その後、建設工事は再開されたものの、2025年5月にはブラジル労働検察庁がBYDおよび工事の請負会社を裁判所に起訴し、建設作業員への賠償金として約2億5700万レアル(約68億円)の支払いを求めた。この裁判は現在も継続中だ。
(訳注:ブラジル工場の建設一時中断の経緯は『ブラジル当局、中国「BYD」の工場建設に停止命令』を参照)
5月の月間販売台数が4位に
BYDのブラジル事業はすでに10年余りの歴史を持つ。2014年に現地法人を設立し、中国で生産した電動フォークリフトや商用車の輸入販売からスタートした。

ブラジル市場に乗用車を投入したのは比較的最近で、2021年12月に中型SUVの「唐(タン)」を発売したのが最初だ。それから4年半余りで、製品ラインナップはEVが8車種、PHVが5車種に拡大した。
それとともに、BYDはブラジル市場での販売を急速に伸ばしている。同社の発表によれば、2025年1~3月期の販売台数は2万台を突破。5月には単月ながら9.7%の市場シェアを獲得し、ブランド別の月間販売台数ランキングで第4位に躍進した。
(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は7月2日
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