【25年上期の「映画興行収入TOP10」】ヒット傾向は前年から一変! 『国宝』の特大ヒットなど邦画実写は大健闘 “洋画が復調”の背景は?
もともと公開館数の少ない単館系の洋画だが、しっかりとした作品の力があり、タイムリーな話題とともに興収を10億円まで伸ばしたことに意味がある。
シリーズ続編などのハリウッド大作ばかりではなく、成り立ちや性質のまったく異なるこうした作品からヒットが生まれたことが重要だ。
洋画の復調が目立った上半期は全体的に好調
今年の上半期は全体的に好調だったが、とくに洋画の復調ぶりが目立った。
昨年の洋画年間興収は前年比30.2%減(511億8300万円)。洋画シェアが全体の25%にまで落ち込んだことにより、深刻な洋画離れが叫ばれていたが、その主な要因は、ハリウッドのストライキの影響による大作の供給不足だった。ところが、豊富なタイトルが揃う今年は、上半期からさっそく盛り返している。
映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、洋画の好調ぶりについて「上半期だけで昨年に匹敵するほどのヒットが生まれており、作品ごとのヒットスケールも大きくなっている。ただ、洋画復活と言えるかと問われれば、まだまだ過渡期。下半期の動向に注目したい」と慎重だ。同時に、この先は追い風一辺倒ではないことにも言及する。
「トランプ政権によって、アメリカの映画業界に何が起こるかわからない。映画は社会や政治情勢と深いかかわりを持つ。関税の話とは別に、トランプ個人はもとより、彼の政策に拒否反応を示す映画関係者が多いハリウッドが、今後どのような映画を送り出してくるかにも注目したい。まったく予想はつかない」(大高氏)
洋画は、今年を含めてここ2〜3年は充実した大作が出揃うことから、本格的な復調が期待される。一方で、いまの社会情勢がどう影響してくるかは、余談を許さない状況だ。まずは好調な今年の興行が、昨年を超えてどこまで伸ばすことができるか、年間の成績が注目される。
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