【25年上期の「映画興行収入TOP10」】ヒット傾向は前年から一変! 『国宝』の特大ヒットなど邦画実写は大健闘 “洋画が復調”の背景は?
好調だったのが邦画実写だ。上半期を象徴する大ヒットが2本生まれた。
そのひとつが『国宝』(44.8億円)。歌舞伎を題材にした約3時間の超大作だが、壮大なスケールで描く作品の世界観が話題になり、年配層だけでなく、若い世代もじわじわと取り込み、観客層が広がっている。
週を重ねて興収を伸ばしており、その作品性もヒット規模も、今年の邦画実写を代表する作品になりそうだ。最終興収では、邦画実写歴代ランキングの上位に入る可能性も見えてきている。

『国宝』の他にも邦画実写が大健闘!
もう1作が『はたらく細胞』(63.5億円)。NHK Eテレで放送されていた教育アニメシリーズ(漫画原作)の実写化だが、その教育要素がヒットをドライブさせる仕掛けになり、予想を大きく上回る60億円超えの大ヒットとなった。
人の細胞に関する学びや知識が作品の根底にある教育要素も有する映画(?)でありながら、バトルアクション満載のユニークなエンターテインメント大作に昇華させたことで、Eテレ視聴者の子ども層だけでなく、若い世代まで幅広く訴求。題材は子ども向けだが、実写版は大人向けのレイヤーも備えている。その企画性も含めて、今年のエポックメイキングなヒットとなった。
加えて、上半期のエポックメイキングなヒットになったのが、25億円を超えた『366日』。オープニングこそ2.3億円と鈍い出足だったが、SNSの口コミでじわじわと話題が広がり、週を経て興収を伸ばし続けるサプライズヒットになった。

泣ける映画はたくさんあるなか、本作にはいまの時代の若い世代に刺さる特別な何かがあり、それが掘り起こされて、大きな波になった。理想的なヒットパターンだが、狙ってできるものではないところが難しい。
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