あのゴディバが密かに抱えていた《重大課題》。「ギフト市場の縮小」「暖冬」「日常使いしづらい」…他には? そして打ち出した打開策の実態

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「今はパッと見て、『わあ、おいしそう』『食べてみたい』など、気持ちが上がることがスイーツの購買動機の多くを占めます。

これまでゴディバでも焼き菓子は提案してきましたが、少し落ち着いたイメージがあります。そこで、品質は維持しながら、『気持ちを揺さぶる新たなアイデンティティ』を目指しました」(奥村さん。以下、「」内はすべて)

ゴディバターズ グランスタ東京店
ゴディバターズ グランスタ東京店。赤が際立つ世界観に、足を止める人も多い(写真提供:ゴディバ)

「ショコラバター」で新たなブランドを

では、改めて、ゴディバターズとはどのようなブランドなのだろう。ゴディバターズは、ゴディバの特徴である「ベルギー産チョコレート」と、クリーミーで、焼き菓子にしたときに発酵の香りがほどよく漂う「ベルギー産発酵バター」、2つを組み合わせた焼き菓子ブランドだ。

両者の融合により、今までになかった「ショコラバター」の風味を生み出したことが最大の特徴。新しいレシピを考案しているときに、ベルギー産チョコレートとベルギー産発酵バターを混ぜ合わせてみたことをきっかけに、「どちらも主役級の素材だから、混ぜ合わせればおいしいに違いない」と開発がはじまったそうだ。 

ところが、どちらかの味が際立ち、もう一方が引き立て役になると、これまでの商品との変化が感じられない。そのため、「両方の風味が際立つ黄金バランス」の発見に力が注がれた。

バランスの実現のためにこだわったのは、ベルギー産の発酵バターだ。数多くの種類の味をマッピングし、「香り、コク、ミルキーさ、すべてのバランスがとれた発酵バター」を選び抜いた。チョコレートと合わせたときにどれかの特徴が消えてしまうことなく、突出しすぎることもなく、うまく調和したという。

チョコレートと発酵バター
開発に当たりこだわったのは、チョコレートと発酵バター、両方の風味が際立つバランスだった(写真提供:ゴディバ)

レシピは、ゴディバジャパンのエグゼクティブシェフであり、ショコラティエ/パティシエのヤニック・シュヴォローさんが考案。完成したレシピを、製造を依頼している国内のパートナー企業と何度もキャッチボールして再現した。

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