さらに、「チョコレートと発酵バターの黄金バランス」を体感してもらうため、初期商品はあえて、日本でよく知られたバター系の焼き菓子のみに。バターサンド、フィナンシェ、ガレットの3種に絞られた。

数を絞った分、形状や食感は、1つひとつこだわりを追求している。たとえば、フィナンシェはカカオの実の形にすることで、角のあるパリッとした食感ではなく、しっとり焼き上がる仕様に。ガレットの中央のホロリとしたやわらかさや、バターサンドのサブレのサクサク感も丁寧に設計された。
フレーバー展開も、「両方の風味が際立つ黄金バランス」を守るため、最初は最小限に。バターサンドは3種、フィナンシェは2種、ガレットも2種に絞っている。

パッケージデザインに込めた「高揚感」と「挑戦」
一方、パッケージデザインでは、「パッと見たときの高揚感」と「ゴディバの新しい挑戦のインパクト」を重視し、赤色をテーマカラーに選んだ。
そこに、「指を舐めている」少女と、うさぎが「お菓子を舐めている」イラストを合わせ、「チョコレートとバターが混ざったらどういう味? おいしそう。ちょっと舐めちゃった」という、微笑ましいストーリーを喚起するイメージがつくられた。

店舗展開でも「希少性」を出すため、さまざまな形式で全国370店舗以上に展開するゴディバに対して、ゴディバターズの常設店は2軒のみ。東京駅構内のグランスタ東京と、池袋の東武百貨店だ。そのほか不定期で、大阪、福岡などで期間限定の催事出店をしている。
「希少なブランドとして育ててファンを増やし、単独で展開したい」と奥村さんは今後を見据える。
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