最近よく見る《A2牛乳》は海外で先行普及 「おなかに優しい」理由は、特別な遺伝子を持つ乳牛から搾るため

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生乳流通の仕組みは入り組んでおり本稿では詳述しない。時代の変化とともに流れが変わり、2018年4月にはJAなどの指定団体を通さない自主流通にも国からの補給金(加工原料乳生産者補給金等)が支払われるようになった。

「現在、飲用生乳全体の約7%が自主流通となり、年々高まっています。MMJは全体の約4%を占める存在となりました」(同)

MMJ経由で店頭に並ぶのが「北海道A2別海牛乳」(近藤乳業、1リットル)だ。価格は298円+税で、こちらも買って飲んでみたが、やはりスッキリした味わいだった。

食の安全・安心への取り組み

口に入れる食品には安全・安心を求める消費者も多い。

「日本A2ミルク協会では、『本物のA2ミルクを消費者に届ける』ための体制づくりにも取り組んできました。具体的には、①牛の遺伝子検査によるA2型牛の特定と登録データベースの構築、②生乳中のβカゼイン検査体制の確立、という品質保証です。

この仕組みを実現するため、東京農業大学の庫本高志教授(農学部 動物科学科 動物栄養学研究室)や重井医学研究所の松山誠部長(分子遺伝部門)のご協力を得て、日本独自の認証制度も策定。2024年に初めて認証基準を満たした前述のA2牛乳を市場に送り出すことができました」(藤井氏)

東京農大・福山直人教授の臨床実験(被験者=日本人20代24人)では、「一般の牛乳(200ミリリットル)を7日間飲む→7日間牛乳を飲まない→A2牛乳(200ミリリットル)を7日間飲む」を行った結果、A2牛乳には腹痛が起きにくいなど優位性が確認できたという。

「こうした検査・認証結果をきっかけに、全国の大手スーパーや百貨店での取り扱いが広がり、A2ミルクの認知度も高まりました。実際に飲まれた消費者からの反響も想定以上に大きく、酪農家や関係者からも多数の問い合わせが届くようになりました」(同)

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