最近よく見る《A2牛乳》は海外で先行普及 「おなかに優しい」理由は、特別な遺伝子を持つ乳牛から搾るため

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価格についてはどうだろう。

例えば、2024年3月に同協会が品質管理基準を満たした「日本A2協会牛乳」(ホリ乳業、1リットル)を発売。現在は大型スーパー中心に取り扱っている。

2024年に発売した「日本A2協会牛乳」(© 日本A2ミルク協会)

筆者が都内のイオン系大型店舗で購入した 価格は「358円+税」。牛乳は日常的に飲むがふだんは200円台(税別)で買うので、通常の牛乳に比べると少し割高だ。

「A2牛乳はA2型牛の厳選や個体ごとの遺伝子・生乳検査、認証制度の運用など管理コストがかかるため、どうしても割高にならざるをえません。『一般の牛乳よりも高い』は多くの消費者が感じていると思いますが、価値と価格を評価していただく取り組みを続けています」(藤井氏)

飲用生乳で増えた自主流通

牛乳(飲用生乳)の流通には、卸の取り組みもある。

群馬県伊勢崎市に本社がある「MMJ」はJA(農協)系統外で生乳を出荷する自主流通の最大手。2024年5月期の売り上げは約168億円、2025年5月期は200億円超を見込む。生乳卸の同社はA2牛乳でも最大手で、その流通シェアは約8割を占める存在だ。

もともと群馬県内で肉牛を扱っていた茂木修一社長が、生乳流通参入時の2002年に設立した会社だ。

「当時は生乳が大変逼迫し、乳業メーカーからは『少量でもいいから持ってきてくれ』と言われ、酪農家からは『余った生乳を売れないか』と頼まれるような状態でした。そこで酪農家と乳業メーカーをネットワークで結びつける仕組みを構築していったのです」(茂木氏)

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